- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
筑波大学の世界史は論理的思考力が求められる試験で、短い問題文から答えるべき内容を自分で読み取る必要があります。問われる知識は教科書に載っているレベルのものがほとんどですが、語句の暗記だけでは太刀打ちできません。
そんな筑波大の世界史だからこそ、問題の特徴や出題傾向を理解して対策をしておくことが大切です。
筑波大学・世界史の出題傾向
例年筑波大学の世界史では400字以内の論述問題が4問出題されています。語句を答える形式の問題はなく、各大問に400字以内の論述が1題ずつあります。難易度は年によって異なりますが、全体としては教科書レベルの知識を問うものがほとんどです。
筑波大学世界史の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 論述問題(400字)
- 第2問 論述問題(400字)
- 第3問 論述問題(400字)
- 第4問 論述問題(400字)
4問すべてが論述問題で、問題文の長さはあまり変わりません。例年、使用すべき語句が4~5個指定されています。時代については古代から現代までまんべんなく出題される一方で、地域についてはアジアとヨーロッパからの出題が中心になっています。もちろん他の地域からの出題もありますが、教科書であまり説明されないようなマイナーな地域からの出題はほぼないと考えて良いでしょう。
筑波大学の世界史は他の大学の論述問題と比べると問題文が非常に短いのが特徴的です。指定語句というヒントはあるものの、基本的には自分の知識を整理して1から解答を組み立てなければなりません。数世紀にわたる「変化」を答えさせるような問題も多いため、歴史の流れを理解しているかどうかが鍵になります。
筑波大学世界史の時間配分の例
筑波大の世界史は120分で、400字以内の論述が4問出題されるので1問あたり30分のペースで解いていくことになります。問題文を読んだらいきなり解答を書き始めるのではなく、まずは書くべきことを箇条書きにして知識を整理するのがおすすめです。思いついたことを全て書けばいいというわけではないので、問題が何を求めているのか意識しながら答案構成を考えます。構成を考えるのに時間を取りすぎて解答用紙が空白になってしまっては本末転倒なので、答案構成にかける時間は長くても10分以内にしましょう。
時間配分の例
00:00 | 第1問 論述問題(30) |
00:30 | 第2問 論述問題(30) |
01:00 | 第3問 論述問題(30) |
01:30 | 第4問 論述問題(30) |
問題文を読んでみて解くのが無理そうだと感じたら、一度飛ばして他の問題を解くようにしましょう。自信のある問題で確実に点数を稼ぐことが大切です。
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筑波大世界史で必要な学力レベル
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、筑波大の世界史に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
筑波大学のレーダーチャートはこのようになります。
筑波大学の世界史のレーダーチャートはこのようになりました。通史理解と短文論述で特に高い完成度が求められます。
通史理解
通史理解はレベル5。筑波大の世界史では時代の変化を問うような問題も多く出題されるので通史理解はかなり重要なポイントです。
繰り返し教科書や参考書を読むことで歴史の流れを頭に入れておきましょう。地域ごとにまとまっている参考書を活用して見直すのもおすすめです。
単語暗記
単語暗記はレベル3。単語暗記にこだわる必要はありませんが、教科書レベルの単語については意味も含めて知っておく必要があります。
隙間時間に一問一答を解いて単語の知識を固めましょう。
短文論述
短文論述はレベル5。前述の通り、時代の変化を問うような問題の出題が多いため、その変化を端的に説明できる力が必要になります。解答を書いているうちに解答の軸となる部分がぶれてしまうことがあるので、問いに対する答えを簡潔に示す練習をしておきましょう。
論述用の問題集を繰り返し解くことで解答の書き方が身につきます。
論述
論述はレベル3。基本的には知識勝負になるので高度な論述のテクニックは必要ありません。ただし、自分が持っている知識を400字の答案にまとめる練習は必要です。
問題演習を通じて論述の基本的な書き方を身につけましょう。
筑波大学世界史が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、筑波大学の世界史で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、ある程度基礎はできている!これから筑波大学に特化していきたい!という人は途中から読み進めてもOKです。
世界史の基本、歴史の流れ=通史をなるべく早く身につけるカリキュラム
「世界史が全く分からない」という人は、まず世界史で学ぶことの全体像から知る必要があります。以下のチェックリストに当てはまる場合は、まず1番基本的な問題集から取り組むようにしましょう。
- 教科書に載っている内容や学校の授業を正直ほとんど理解できていない
- 世界史がそもそも苦手
- 学校の授業を全然聞いていなくて、テストでも赤点ギリギリ
これらに1つでも当てはまる場合は、以下の参考書からスタートしましょう。
この参考書は世界史を基礎の基礎から学ぶことができます。読み切るのにそれほど時間がかからないので歴史の流れが頭に入るまで繰り返し読むことをおすすめします。2年生のうちに世界史への苦手意識を払拭しておきましょう。
先程のチェックリストに当てはまらない場合は次のレベル、映像授業などを通した教科書レベルの内容理解と復習に進みましょう。
「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、まずは歴史の流れを理解します。2年生のうちに終わらせようとすると授業で習った範囲を超えるかもしれませんが、予習だと思ってどんどん進めていきましょう。
語句を覚える際には穴埋め形式のものを使うと、歴史の流れを意識することができます。
次に進むポイント
- 世界史の苦手意識が少し薄れてきた
- 世界史の全体像はしっかり理解できた
- 映像授業や学校の授業の内容はすべて理解できた
実践問題で力をつけていこう
筑波大入試や共通テストレベルの問題を解けるようになるには、自分が持っている知識を応用的に使えなければなりません。ここからは実践問題を通じて問題の解き方を身に着けていきます。
夏前にはこれらの問題演習に取り掛かりましょう。筑波大の世界史では語句の意味を説明させるような問題はほとんど出ないので単語暗記の優先順位は低くなります。一問一答はメインでやるというより、知識を固めるために補充的に使うイメージです。
次に進むポイント
- 共通テストレベルの問題が解ける
- 論述問題の解き方が分かった
筑波大入試で合格点を取るための世界史の総仕上げ
問題の解き方は身についたので、あとは筑波大入試に向けて総仕上げをするだけ。入試では敵を知ることが何より重要なので、実際の入試問題をどんどん解いていきましょう。
基本的な参考書をやり終えたら、いよいよ筑波大の過去問や筑波大形式に似た問題に取り掛かります。他の大学の問題を解くときには、問題文が短く、語句の指定がある問題を選ぶようにしましょう。
過去問を解く際には時間を計るようにしましょう。400字×4題なのであまり時間の余裕はありません。時間内にできる限り完成度の高い答案を作れるようにするには練習あるのみです。