センター英語は、受験生なら多くの人が受ける試験です。けれど、その全体像について知らない人は特に高1生や高2生に多いのではないでしょうか。高3生のなかには、「センター英語の点数がなかなか伸びない……」という人もいるはず。この記事では「そもそもどんな問題が出るの?」という高1・高2の皆さん、「どうやって勉強すればいいの?」「マーク模試の復習ってどうするの?」と具体的な勉強法に悩む受験生のみなさんにセンター英語のすべてをお教えします!
志望校別・目標点数別に「何を・どのくらい」勉強すればいいのか?がわかるように書いているので、ぜひこの通りに勉強を進めていってください!対策がおろそかになりがちなリスニングの勉強法・対策の仕方についてもお伝えしますよ!
- この記事は「センター試験対策用記事」です。共通テストの英語で満点を目指すための勉強法はこちらの記事をチェック!
これから英語を勉強する人はまずこちらから!
センター英語筆記試験・各大問の構成と対策
センター英語は、全部で大問が6問。それぞれの内容と配点は以下の通りです。
センター英語の配点については、こちらの記事でもまとめています。
これだけでもわかる通り、出題形式はとても多様です。以下、一つ一つ見ていきましょう。
センター英語筆記試験 大問1:発音・アクセント
問題の特徴
大問1は「発音・アクセント」問題です。形式は2つ。
1つめは、4つの単語の中から、下線部の発音が異なるものを選ぶもの。たとえばこのような問題です。
2つめは、第一アクセント(=最も強く発音される部分)の位置が他の3つと異なるものを選ぶものです。以下のような問題がその例です。
これらの問題が、発音問題は3つ、アクセント問題は4つ出題され、それぞれ1問2点です。
対策・解くコツ
発音・アクセント問題の勉強をしようとすると、ついつい「英単語を覚えるついでに発音を確認して覚えよう……」と思ってしまいがち。ですが、実はそれはやってはいけない勉強法です!
発音・アクセントが出題される大学は、センター試験を除けばごくわずか。センター試験のたった14点のために勉強時間をかけていては、他の勉強が進みません。しかも、英単語を覚えるついでに発音も覚えよう!としてしまうと、一度に覚えることが多すぎてパンクしてしまいます。
センター試験の発音・アクセント問題は、そもそもあまり対策をしなくて良いのです。特にセンター試験で8割以下の目標点数である場合、ほぼやらなくてもOK。発音・アクセント問題を捨てて他の問題の正答率をあげた方が、他の試験でも有用です。
それ以上の点数を目標にする人は、センター試験1ヶ月前から、「NextStage」「Vintage」などの「発音・アクセント」コーナーに加えて、センター英語の過去問で出てきた問題の復習をみっちりやりましょう。
このように、頻出単語だけ対策するだけで、本番はほとんどの問題について消去法で正解を導き出すことができるのです。
センター英語筆記試験 大問2:文法問題
この大問は大きく分けて3つのパートに分かれています。
A:短文中の空欄に、文法的に正しい語や語句を入れる
模試や学校の定期テストなどでもよくある形式です。仮定法や動名詞など、基本の文法事項や、熟語問題が穴埋め形式で出題されます。
B:並び替え作文(整序問題)
与えられた語を並び替えて正しい文章を作る問題。これも割とよくある形ですが、よく考えず短絡的に解答するとミスをしてしまう問題もたまにあるので注意。
C:組みあわせ作文
会話中の受け答えの文として適切なものを2×2×2=8通りの組み合わせの中から選んで正しい文章を作る問題です。~ ingを使うか、to ~ を使うかなど、比較的細かな文法が問われることが多く、大問2の中では一番手ごわい問題と言えるでしょう。
対策・解くコツ
どの形式にせよ、誰もが一度は見たことがあるような基本的な文法を問う点は変わりません。当たり前の英文法の勉強を当たり前にやってきた人なら満点を狙えます。むしろこの部分でなるべく得点率を上げていくようにしましょう。「当たり前の英文法の勉強って言われても…。」という人は、英文法勉強法のページを参照してください!
実際に解くときには、問題形式にまどわされることがないようにすることが大切です。たとえ形式が変わっても、どの問題も問われていることは基本的なものです。冷静に「文法的に不定詞しか入らないから……」「この熟語はこういう意味だから違うな……」などと考えて解いていきましょう。
センター英語筆記試験 大問3:空所補充・読解問題
この大問も3つのパートに分かれています。
A:会話文完成
よくある日常会話の流れを把握して、適切な応答文を選ぶものです。一つ一つの単語に引きずられて答えるとミスしやすいので、全体としてどのような会話か、かつ選択肢はどのような意味かをつかむことが重要です。
B:不要文指摘
これは日頃の学習ではなかなか見慣れない形式でしょう。8行程度の段落のうち、4つの文に線が引かれていて、段落全体のまとまりを考えた上で取り除くべき文がどれか答える問題です。Howeverなどのディスコースマーカーや、指示詞(thisやthat)に注目しながら、冷静に見極める必要があります。ここは、比較的じっくり時間をかけた方が良いです。
文の意味的に明らかにおかしいものが紛れている場合もありますが、場合によっては文章のテーマにそぐわない文章を選ばせることもあり、そうした問題で文章の前後関係を追っているだけではどの選択肢も正解に見えてくることがあります。。いずれにせよ、「この文章は何について書いているのか?」という、文章全体での一貫したテーマを読み取れるかどうかがポイントになります。
C:複数人の話し合いの要点を埋める
3~4人の人があるテーマについて議論をしており、各々がどういう主張をしているのかを端的に示した一文を選ぶ、という問題です。
テーマ自体は比較的わかりやすいことが多いので、とにかく一人一人の主張や意見をきちんと把握することが重要です。
対策・解くコツ
大問3は、取り組みやすいところではありますが、やはり文章量は大問1や2に比べれば圧倒的に増えるので、何となく解いているとミスを連発することがありえます。
A・B・Cそれぞれの項目で説明したように、ディスコースマーカーや文章の流れに気をつけながら、「誰がどの主張をしているのか?」「文章全体としてどういう話をしているのか?」というテーマをつかむことで、比較的解きやすくなります。逆にそれぞれの文の前後関係だけで読み取っていると、内容を取り違えてしまうので注意が必要です。
センター英語筆記試験 大問4:読解問題・文書の読み取り
このパートは大きく2つに分かれています。
A:グラフを含んだ長文読解
社会問題に関する長文と、その長文に関連した統計データがセットで提示される読解問題です。大問3に比べるとかなり難易度は上がり、より細かな読解が求められます。
B:文書の読み取り
英語で書かれた架空の広告やポスター、ウェブサイトを見て、3つの設問に答えます。情報量が多いので、先に設問を読んで、必要な情報をいかに素早く抽出できるかがポイントです。ただ、とても小さな文字で書かれている情報が答えに関連していることもあり、ひっかけの要素もあるので、すぐに選択肢に飛びつかないような冷静さも同時に必要です。
対策・解くコツ
いずれの問題もグラフや掲示物、チラシなど情報量の多いものを正確に読み取る必要があります。必ず設問で聞かれていることは何か?ということ、そしてその情報が書いてある場所にきちんと印をつけていくことが重要です。情報を書き出して整理するのも一つの手です。
センター英語筆記試験 大問5:物語文の読解
問題の特徴
読解問題の中ではもっとも取り組みやすい大問です。細かな単語がわからなくても、全体のストーリーを大まかに把握すれば答えられる問題が多く、ここでの失点はゼロにすべきです。
対策・解くコツ
読むときに以下の2つを意識しましょう。
- 登場人物は誰か?
- 時系列はどうなっているか?
物語には必ず登場人物がいます。そして多くの場合、2人の主人公が別視点で書いた文章をどちらも読み解く必要があります。登場人物がどういう関係なのか?「誰が」「いつ」「何を」したのか?といったいわゆる5W1Hを意識しながら読むだけで、正答率はぐんと上がります。
センター英語筆記試験 大問6:論説文の読解
問題の特徴
文章量は600単語前後と他の大問より圧倒的に多く、単語の難易度も高いです。また、これまでの設問で時間を使いすぎて時間がない、ということもよく起こります。答えとなる選択肢も、文中の内容を別の言い回しに置き換えているなど、一筋縄ではいかないものとなっていることが多いです。時間制限内に正確に解くことが試される、難易度の高い問題です。
設問はパラグラフごとの内容理解を問う選択肢問題が5問程度あり、最後に段落ごとのテーマをまとめた表の穴埋め問題があります。
対策・解くコツ
設問のほとんどは段落ごとの理解を問う問題なので、必ず先に問題文をすべて見て「どの段落が問われているのか?」確認しましょう。
また、これは裏技ですが……最後の問題の選択肢やすでに埋められている選択肢を見れば、各段落でどういうことをいっているのか・文章全体でどういうことがいいたいのかなんとなくわかる場合があります。長文を読む上でのヒントになるので、いちど目を通してもいいでしょう。
大問ごとに解くコツを押さえよう!
センター英語筆記試験の時間配分はこう考える!
では具体的に6つの大問をどのような時間配分・順番で解いていくか、を説明しましょう。
センター英語の点数配分は、読解問題が7割!
センター英語の6つの大問は、大きく2つに分けることができます。
文法・発音問題(大問1・2) + 文章読解(大問3~6)
それぞれの配点は、文法・発音問題が14+44=58点、文章読解が41+35+30+36=142点となります。
そうなんです。センター英語は文章読解の占める割合が圧倒的に大きいのです。文章読解の部分で得点しないと、いくら文法や発音ができても良い点数は期待できません。
よって、センター英語は文章読解になるべく時間をかけ、失点を最小限にすることがポイントです。
解く順番は変えるな!センター英語の解く順ルール
でも、残念ながらここではそれをおすすめしません。
必ず大問1から2、3、4と順番に解くようにしましょう。大問3から先に解いてはいけない理由は2つあります。
- 残りの少ない時間でやろうとすると簡単な文法でもあせってミスをしかねない
- マークミスをしやすくなってしまう
残りの少ない時間でやろうとすると簡単な文法でもあせってミスをしかねない
1つ目は、実際の場面を想像するとわかりやすいです。70分かけて大問3~6を終えたとして、残りの10分で文法とアクセントをやるとしましょう。大問1と2、合わせて24問もあります。つまり、1問あたり30秒もかけられません。
これに加え、残り10分しかない!というプレッシャーがのしかかります。すると、基本的な文法を問われているものすら、焦ってわからなくなってしまうことがあります。1問あたりの配点が小さいとはいえ、いくつもミスをしたら大量失点につながります。
マークミスをしやすくなってしまう
2つ目は、センター試験だからこそ言えることです。センター試験は、各設問に1から順に解答番号が振られていて、解答は、マークシートの該当する解答番号の部分に記入します。
マークシートは解答番号の順に並んでいるため、大問3から解いた場合、マークシートの途中から解答を始めることになります。このとき、ずれて違う場所にマークする危険があります。「よく見れば大丈夫でしょ」と思うかもしれませんが、試験本番は何があるかわかりません。この意味でも順当に大問1から解き、マークシートの最初から順に埋めていくべきです。
センター英語おすすめ時間配分はこれだ!
繰り返しになりますが、センター英語は文章読解が大半を占めるので、それにきちんと時間を割けるよう、発音と文法問題は15分以内に終わらせます。余力のある人は10分で解ければなお良いです。
また、文章読解の中でも比較的精密な読みが求められるのは大問4と6です。ここになるべく時間をかけ、失点を防ぎましょう。
一方で、大問5は物語文で、前述の通り細かな表現に気を遣わなくても、全体をざっと読めば設問にも答えられるレベルなので、10分程度でサクッと終わらせてしまいましょう。
最後に、マークをずらしていないか、正しい箇所にマークされているかを、すべての設問に対してチェックします。これは英語に限ったことではないですね。センター試験全般に言えることです。せっかく読めているのに、マーク1つをずらすだけで悲惨なことになるので、必ず最後に時間をとって見直しを行いましょう。
とは言え、「いきなり80分以内に解くなんてできないよ!」という人も多いでしょう。そういう人は、まずは実際の制限時間より長めに設定して演習を始めましょう。そしてその時間で解けるようになってきたら、徐々に100分、90分、80分と制限時間を短くしていきましょう。
順番通りに解いてマークミス防止!配点の多い長文に時間をかけよう!
何点取ればOK?センター英語志望校別目標点数
ここでは、志望校に合格するための、センター英語での目標点数をお教えします。ただし、この目標はあくまで目安です。そもそもセンター試験の点数は合否に関係せず、大学の作る入試の点数で合否が決まる大学は早慶をはじめ多くありますし、他の科目でカバーすれば、合格することはもちろんあります。
ですが、センターで何割とればいいかわからない人やGMARCH以上の難関大を目指したい人は、ぜひこの目標点数を超えられるよう、勉強に励んでみてください。
センター英語志望校別目標点数はこれだ!
センター試験は基本!難関大志望者は高得点を目指そう!
センター英語筆記対策はこうする!目標点数別勉強法&参考書・問題集
センター英語目標点数別勉強法一覧
ここではこの点数ごとに、どういった勉強や対策をしていけばこの点数をとれるようになるのか見ていきます。
もし、自分の現状の点数が目標点数と大きく離れている場合は、現在の点数でやるべき勉強法から徐々にステップアップしていきましょう!
- 現在のマーク模試点数が100点未満!これから英語の勉強を頑張る!
120点(6割)をまず目指すための勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が120点〜140点!
160点〜170点(8割〜8割5分)を目指す勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が160点以上!
満点を目指す勉強法を見る!
センター英語、まず120点(6割)を目指す勉強法&参考書!
そもそもこれから本格的に受験勉強を始めたり、英語が苦手でなかなか点数があがらなかったりする人は、まずここを読みましょう!
6割を目指す勉強法のポイント
マーク模試など英語のセンター形式試験で半分くらいしか取れていない……という人は、まだまだ英語の基礎が身についていません。というのも、センター試験はあくまで「基本」を問う試験。英語の基本といったら「英単語」と「英文法」。つまり、センター試験でなかなか点数が伸びない人は、圧倒的に「英単語」と「英文法」が定着していない人なのです。
まずは、英語の基本的な勉強法にしたがって単語・文法を身につけましょう。
6割を目指すための参考書①英単語:ターゲット1200
まだまだ英語苦手……というレベルであれば、「ターゲット1200」を使ってきちんと単語を覚えていきましょう。入試に最低限必要な単語が掲載されているので、スタートにぴったりです。
ターゲット1200やこの後紹介する単語帳は、必ず以下のやり方で取り組みましょう。
- Step1.
- 1ページの単語の意味を見て覚える
- Step2.
- 覚えたと思ったら、赤シートで単語を隠して、意味が言えるかテストする
- Step3.
- 意味がいえなかった単語をもう1度覚える
- Step4.
- もう一度赤シートでテストする
- Step5.
- これを100単語(1Section)ぶん繰り返す
この勉強法を少なくとも3周はやることで、何度も繰り返すことができ定着します。ポイントは必ずテスト形式で覚えることです!
また、すでに述べた通り発音は覚えなくて大丈夫です。たかだか14点ですし、覚える内容が増えてしまうと時間がかかってしまいます。文法・読解問題を解く基礎をつくることを最優先にしましょう!
6割を目指すための参考書②英単語:ターゲット1900
「ターゲット1200」の単語を8〜9割がた覚えられたら、「ターゲット1900」に入りましょう!
取り組み方は「ターゲット1900」と同じです。
- Step1.
- 1ページの単語の意味を見て覚える
- Step2.
- 覚えたと思ったら、赤シートで単語を隠して、意味が言えるかテストする
- Step3.
- 意味がいえなかった単語をもう1度覚える
- Step4.
- もう一度赤シートでテストする
- Step5.
- これを100単語(1Section)ぶん繰り返す
6割を目指すための参考書③英文法:スタディサプリ
英文法の基礎を身につけるには、「スタディサプリ」の「高2スタンダード英文法」「高3スタンダード英文法」がうってつけ!月額980円で多くの講義が見られるこのサービスで、文法の基礎はバッチリになれます!
- Step1.
- テキストを必ず用意し、授業を受ける。
- Step2.
- 授業を見終わったら、テキストをざっくり見直す。
- Step3.
- 確認テストに取り組む。
- Step4.
- 間違えた部分のテキストに戻って見直す。それでもわからなければその部分だけもう一度授業を見る。
2周めでは授業を受ける部分を省略して取り組みましょう。これも3周して、同じ部分を間違えないようになるまでみっちり取り組みます。
6割を目指すための参考書④英文法:NextStage(ネクステ)
文法の基礎が身についたら、センター英語の大問2、文法問題が解けるようになるまで練習します。文法問題で8割程度取れるようになることが目標です。
「NextStage」では、基礎〜センター試験レベル前後の文法・語法問題が多く収録されています。身につけた文法事項を実際の問題で思い出せるかたしかめましょう。
- Step1.
- 問題に取り組む。
- Step2.
- 間違えた問題の解説を読む。
- Step3.
- 1章終わったらその章の問題に再度取り組む。
この参考書も基本的には3周以上取り組みます。時間に余裕があればそれ以上取り組んでもOKです。
6割を目指すための参考書⑤英文解釈:入門英文解釈の技術70
センター英語の配点のうち7割は読解問題。「読解ができるためには長文をたくさん読めばOK!」と思っていませんか?
英語長文が読めるようになるには、まず英文解釈ができないといけません。一つ一つの文章が読めて初めて長い文章も読めるようになります。
- Step1.
- 例題の和訳に取り組む。
- Step2.
- 解説を読む。
また、2・3周目には例文を音読・暗唱しましょう。音読・暗唱することで文構造が取れているかを確認できます。
6割を目指すための参考書⑥長文読解:イチから鍛える英語長文Basic/300
英文解釈の基本が理解できたら、やっと長文読解です。まずは短い文章から読むことに慣れていきましょう。
- Step1.
- 制限時間を気にせず、納得がいくまで問題を解く。
- Step2.
- 解説を読んで、自分が解く時の考え方と比べる。
- Step3.
- 全ての文の構造を復習し、音読を3回する。
2周目以降は制限時間内に解き切るよう時間を計ってときます。こちらも文を音読することで、センター試験のように時間制限がある長文もすらすら読めるようになります。
いつまでにやればいいの?
目安は受験生の夏に終わっていることですが、早い分にはいくら早くても大丈夫です。逆に夏で終わらない……という場合は、「NextStage」などは秋まで時間をかけて取り組み、「イチから鍛える英語長文Basic/300」を早めに取り組みましょう。英単語やスタディサプリは夏には終わっていることが必須!
センター英語で8割(160点)を目指す勉強法&参考書!
8割を目指す勉強法のポイント
6割から8割へステップアップする鍵は、ズバリ長文読解!いかに正確に・速く長文を読み、問題を解くことができるかで点数が大きく変わってきます。
センター英語で8割取りきれない人は、そんな長文問題のうち必ず「正確に」「速く」のどちらか、もしくは両方が欠けています。
「正確に」読めない人は、いちど時間制限を無視して長文を落ち着いて解いてみましょう。まずは制限時間なしで全ての問題に正解できるようになることが大事です。
逆に「速く」読めない人は、制限時間を少しずつ短くしていきながらときましょう。英語長文そのものを速く読むために「音読」をするのも効果的!
8割を目指すための参考書①英語長文:イチから鍛える英語長文500
センター試験と同じくらいの単語数の良問が集まった参考書で、長文を読むだけでなく「解ける」ようになりましょう!
- Step1.
- 制限時間を気にせず、納得がいくまで問題を解く。
- Step2.
- 解説を読んで、自分が解く時の考え方と比べる。
- Step3.
- 全ての文の構造を復習し、音読を3回する。
こちらも2周目以降は制限時間内に解き切るよう、時間を計ってときます。
また、すでに述べた通り発音は覚えなくて大丈夫です。たかだか14点ですし、覚える内容が増えてしまうと時間がかかってしまいます。文法・読解問題を解く基礎をつくることを最優先にしましょう!
8割を目指すための参考書②過去問
長文読解の基本がつかめたら、実際の問題を解いていくのがベスト!
いつまでにやればいいの?
特にセンター試験を受ける必要がない人は、センター試験の勉強に時間をかけすぎないように気をつけましょう!
センター英語、満点を狙う!勉強法&参考書紹介
満点を目指す勉強法のポイント
満点を目指してくると、少しのケアレスミスも許されません。また、「発音・アクセント」もきちんとした対策をする必要が出てきます。
満点を目指すレベルで文法以上に大事なのが、読解問題です。1問6点から8点もあるので、4つ間違えればあっという間に9割を下回ってしまいます。
非常に慎重に解く必要がありますし、それでいて時間制限はありますからスピードも意識しないといけないとなると、なかなか大変です。
このレベルに到達するには、センター試験以外の志望校対策をまずおこたることなく進めてください。センター試験で満点を目指す人であれば、当然志望校も高いレベル。志望校に向けた勉強をしていけば、おのずとセンターレベルの基礎力はついていきます。
こうした基礎力がついた段階で、はじめてマーク模試の過去問題集やセンター試験の過去問で演習をしていきます。このとき、本番と同じ時間配分・解く順番で解くことで本番でも落ち着いて解くことができます。
目標点数ごとに対策する分野が違うので注意!
センター英語の総仕上げ!過去問(赤本・黒本)の使い方!
センター過去問は唯一無二の「攻略本」!過去問でセンター英語を撃破せよ!
センター試験は、日本の名だたる学者たちが1年間かけてていねいにつくりあげています。ということは、それだけ質が高い良問が揃っているということ。この良問を解けるようになるには、良問を使って対策をするしかないのです。
赤本?黒本?センター試験英語過去問の上手な活用法
そもそも、過去問はどれでもいいの?
過去問を選ぶときに鍵になるのが、
- 10年分以上掲載されているか?
- 解説がくわしいか?
の2点です。ただ、分厚い過去問であれば基本的に10年分以上は掲載されているので、解説がくわしいか、本屋でぱらぱらとめくってみてしっくりくる方を選べば問題ありません。
過去問の活用法ルール① 直前期に5年分はやる!
過去問を使うときに必ず意識して欲しいのが、時間配分。すでに説明した通り、本番余裕を持った時間配分で臨むことができるかがポイントになります。その点で言っても、きちんと本番の時間配分を意識して解くことができるか、本番と同じ順番で解き慣れるかが重要です。特にこういった解き方や形式への慣れは、直前の対策がもっとも効果てきめんです。
逆に、基礎が身についていない時期など早すぎる時期にたくさん解いてしまわないように気をつけましょう!
過去問の活用法ルール② 必ず時間を計る!
時間配分を気にしながら、余裕を持ってセンター試験を解くためもう一つ大事なのが、かならず時間を計ることです。もちろんはじめはあまり時間をきにしなくてもいいのですが、時間内に解ききれなかったら、解ききれなかったぶんがどのくらいかをメモしておいて、時間外で残りの問題も解いてから答え合わせをしてOKです。これを繰り返して少しずつ時間内に解けるように訓練していきます。最終的には75分くらいで解き終われるようになると、本番でも落ち着いて問題を解くことができます。
過去問は時間配分が命!本番を想定して解こう!
センター英語リスニングについて知る!大問構成と解き方のコツ
センター英語リスニングの大問構成
英語センター試験のリスニングは50点満点。配点や出題される問題は以下のようになっています。
センターリスニングは「先に選択肢を読む」のがコツ!
リスニング問題は、出題者のペースでスクリプトが読まれ、しかも限られた回数しかそれを聞くことができないのでとても厄介。少しでも落ち着いて英文を聴くためにはどうすればいいのでしょう?
リスニングの試験が始まってから問題が読み上げられるまでには多少時間があります。その間や前の問題を解き終わったタイミングで、次の問題の選択肢や問題文を見ておきましょう。そうすることで、「だいたいこういったことが読み上げられるのかな」など想像がつき、どのキーワードに注意して問題を聴けばいいのかがわかります。。
この問題の選択肢は、すべて”〜dollars”となっていますね。しかも問題文に”How much…” “each person pay?”と書いてあるので、結局いくらお金を払うのか?という部分に気を配りながら聞けばいいのです。それ以外の登場人物の名前や会話している場所などは、どうでもいい情報です。
センター英語リスニング大問1:内容一致問題
問題の特徴
大問1は、4つのイラストのうち、読み上げられる説明と合致するものを選ぶ問題です。選択肢は文章だけでなく時間や日付、値段などさまざまなものがあり、毎年イラストや図表も出題されています。
対策・解くコツ
金額や時間など数字を尋ねる問題が多いので、必ず事前に数字を見ておきます。また、問題文にも目を通し、何を答えればいいのか必ず頭の中に入れておきます。
何かしら答えのようなものを言った後に”No”で否定される場合などもあるので、注意深く聴く必要があります。
センター英語リスニング大問2:対話応答問題
問題の特徴
大問2は、2、3往復程度の対話が放送されます。最後の発言に対する適切な答えを選ぶ問題です。
対策・解くコツ
対話文もそれに対する応答の選択肢も、きちんと聴いていればまず間違えることはないというくらい選びやすいものになっています。それだけに、いかに落ち着いて聞き取れるかがポイントになってきます。
センター英語リスニング大問3A:短い対話の内容理解問題
問題の特徴
大問3はA、Bにわかれています。Aでは大問2のように対話が放送され、その会話の内容に合うものを選びます。
対策・解くコツ
どんなに時間がなくても、問題文だけはかならず目を通して聴きましょう。そうすることで、長い対話文の中でも何に気をつけて聴けばいいのかわかります。
センター英語リスニング大問3B:図表説明問題
問題の特徴
こちらも対話形式の問題ですが、対話文自体が長めになるうえ、図や地図、表などを読み取った上で答える問題が出題されます。
対策・解くコツ
図表にある数字や固有名詞をきちんと押さえましょう。あらかじめ何がどこにあるかざっくり頭の中に入れておくだけで、放送分が頭に入ってきやすくなります。
センター英語リスニング大問4A:長めの英文理解問題
問題の特徴
ここでは初めて長文問題が出されます。数パラグラフの論説文・説明文が読まれるので、その内容に一致するものを選ばねばなりません。もっとも難しい設問と行っても過言ではないでしょう。
対策・解くコツ
リスニングとはいえ長文問題なので、ふだん筆記試験で解くときと気をつけることは変わりません。あらかじめ必ず問題文を読んでおけば大丈夫です。
センター英語リスニング大問4B:長めの会話理解問題
問題の特徴
こちらはうって変わって会話文。これまでの会話文と違うのは、登場人物が増えることや、会話文自体が長くなることです。とはいえ、気をつけることは基本的に他の問題と変わらないので、落ち着いて答えましょう。
対策・解くコツ
人数が増えてくると、「誰がどのセリフをしゃべっているのか?」わからなくなります。かならずどの声が誰なのか見失わないように気をつけましょう。
リスニングは必ず事前に問題を読んでおく!
センター英語リスニング・志望校別目標点数
センターリスニングの落とし穴!点数は(筆記+リスニング)×0.8
多くの国公立大学では、合否判定にセンター試験の点数を加算することが多いです。
それだけではなく、多くの国公立大学ではセンター試験の点数によって2次試験を受けられるかどうかが決まる「二段階選抜」のしくみが取られています。一定の点数以上をとらないと、2次試験を受けることすらできないということもあります。
大学によって異なりますが、多くの大学は英語の点数に筆記もリスニングも加算します。このとき、単純に足してしまうと200+50=250点になってしまいます。
そこで多くの大学では、英語の点数は(筆記の点数+リスニングの点数)×0.8という数式で計算して、200点満点に換算しているのです。
リスニングは50点満点しかないからどうでもいいや、と思っているとこの罠に引っかかります。筆記とリスニングの合計点が大事なので、50点とはいえあなどれないのです。
センター英語リスニングの目標点は?志望校別にチェック!
とはいえ、たとえば私立大学を第一志望にする人がリスニングの対策に多くの時間を割くのは非常にもったいないです。センター試験の点数が合否に影響しない人は、特別きちんと対策をする必要はありません。
その代わり、国立難関大や2次試験でリスニングがある大学を目指す人は、リスニングは当然満点!くらいのつもりで対策をしましょう。
その他の国公立大を目指す場合も、きちんと対策をする必要があります。
センター英語リスニング対策!目標得点別勉強法&参考書
センター英語リスニングの勉強、焦りは禁物!まずは基礎固め!
センター英語リスニングでは、「それぞれの設問の対策」「あらかじめ選択肢や問題文を見る練習」などが必要です。また、そもそも英語を聞き取る能力も必要になります。
よく、リスニングは特殊な分野だと思われがちです。しかし、基本は英語長文にすぎません。リスニングは普段読むような英語長文を耳で聞いて理解できるか試すものです。つまり、そもそも英語長文が読めなければ、リスニングが解けるはずはないのです。
長文がある程度読めるようになったら、いよいよリスニングの対策をはじめて行きます。
40点を目指すための参考書:灘高キムタツのセンター試験英語リスニング合格の法則(基礎編)
センター英語リスニングの対策といえばこれ。というより、リスニングの対策といったらキムタツ先生、というくらいおすすめの参考書です。
それぞれの大問ごとに対策をしていくので、センター英語リスニングで必要な力はこの1冊でほぼ身につくと行っても過言ではないでしょう。
- Step1.
- 問題に取り組む。
- Step2.
- 解説を読む。
- Step3.
- スクリプトをCD音声にあわせて5回音読
- Step4.
- シャドーイングを3回行う。
シャドーイングとは、スクリプトは見ないでCD音声を聴きながら、音声のすぐ後を追いかけて復唱するやり方です。ただ繰り返すだけですが、繰り返すうちに「どういう意味の英語なのか?」を頭の中で自然と考えながら復唱するようになります。
45〜50点を目指すための参考書:灘高キムタツのセンター試験英語リスニング合格の法則(実践編)
さらに満点を狙っていく人は、こちらの「実践編」まで取り組みましょう。
- Step1.
- 問題に取り組む。
- Step2.
- 解説を読む。
- Step3.
- スクリプトをCD音声にあわせて5回音読
- Step4.
- シャドーイングを3回行う。
志望校によって対策すべきか変わる!対策のコツは”シャドーイング”!
センターリスニングの総仕上げ!過去問はこう使う!
センターリスニングも、基本的に赤本や黒本を使って過去問演習を行います。ただ、筆記試験のように時間配分を気にしながら解く必要はないので、多くても直近5年分ほど直前にやれば問題ないでしょう。
リスニングの問題ひとつひとつはそこまで難しくないとはいえ、ぜんぶで30分程度続くため、どうしても集中力が切れてしまいがちです。
途中でうとうとしてしまったりぼーっとしてしまったりしないよう、過去問演習の際にきちんと30分解き続けられる集中力をつけておきましょう。
リスニングの過去問演習では「集中力」を高めよう!
マーク模試・センター同日試験はこう活用する!英語マーク模試の復習のやり方!
センター英語マーク模試!点数はどうとらえる?
マーク模試で悲惨な点数をとったからといって、悲観する必要はありません。なんのために模試を受けるのか?を確認しておきましょう。
- 自分の現在地を知る!
- 目標との差を知る!
- 時間配分などのシミュレーションをする!
自分の現在地を知る
模試はあくまで、「自分が今どこにいるのか」確かめるためのツールです。「どの分野ができていないのか?」「不安なところはなかったか?」などを模試ごとに確認しましょう。
目標との差を知る
模試を受けると必ず判定が出ます。
この「判定」ですが、気にしなくていいです。
そもそも私立大学の合格可能性をマーク模試で正確に測ることはできないですし、あくまで「今回の模試ではこのくらいできた」という目安でしかありません。
それよりも、「本番はこのくらいの点数を取りたいから、あとこのくらい足りない」「この範囲がおろそかになっていたし、志望校でもこの分野は聞かれるから復習しておこう」といったふうに、自分に今足りていないが、志望校で必要とされる能力を把握するために使いましょう。
時間配分などのシミュレーションをする!
とくに高校1、2年生のうちは、なかなかセンター試験を解く機会はありません。模試のタイミングでどういう問題が出るのか、どのくらい時間が足りないのか実感しましょう。
直前期の「センタープレ」などでは、過去問などでシミュレーションした時間配分通りに解けるか確かめましょう。模試会場では適度な緊張感が味わえるので、本番に近い状況で時間配分のシミュレーションができます。
センター英語マーク模試の復習のしかたは?
マーク模試の復習をするときに気をつけることは、学年によって異なります。
高校1・2年生:文法問題を中心に!
高校1・2年生のうちは、まだまだ基礎が身についておらず、長文もそもそもきちんと読めなかった……ということが多いです。よく読めなかった長文問題の答えを見ながら復習するのは、時間ももったいないですし、意味がありません。
もし時間に余裕がある人は、時間内に読めなかった長文問題を、時間をかけて一度読む練習をしましょう。センターレベルの長文問題は、解答も比較的見つけやすく、長文読解のいい練習になります。
高校3年生・受験生:長文をきちんと読みなおす!
受験生には、ぜひ毎回すべての問題を見直してほしいです。なんども言いますがセンター英語の7割は長文なので、どういう理由で間違えたのかきちんと復習することで点数アップにつながります。
また、満点を狙っている人は発音・アクセントについても復習しておきましょう。発音・アクセントは時間をとって対策ができない分野。模試ではどうせ解かないといけないので、ついでに確認をすることで効率よく覚えられます。さらに、模試では本番でも頻出の発音・アクセントが聞かれることが多いので、頻出の単語を効率よく覚える上ではさらに最適です。
センター同日試験!気をつけることは?
センター試験が行われるまったく同じ日に、センター試験と全く同じ問題を解くセンター同日。「何点取ればいいの?」「復習したほうがいいよね?」といった疑問に答えていきます。
目標点数は?受ける時の心構えは?
多くの人はこういったマーク模試を初めて受験するはず。何に気をつければいいのか?ということはなかなかわからないでしょう。
でも、それで大丈夫です。基本的には、「センター試験ってこういう問題が出るんだ!」「1年後はこれを解いているんだ……」というモチベーションにしましょう。そもそもまだ解けない問題が多いはずなので、点数などをむやみに気にする必要はありません。
いっぽう、難関大学を志望している人は、本番にこのくらいの点数を取りたい!という点数を意識しながら解きましょう。本番に撮りたい点数の7割以上を目標点数にするのが目安です。
解き終わったらどう復習するの?
復習は、さきほどもお伝えした通り文法問題を中心に進めましょう。すでに長文の演習をある程度できているひとは、長文も含めて全ての問題を復習するようにしましょう。
また、必ず自己採点の練習をしておきましょう。高校によっては授業中にすることもありますが、ない場合は自分で採点をします。
自己採点ができるように、センター試験では必ず問題冊子に自分が選んだ答えを書き込むか、選択肢に◯をつけます。その答えを元に自己採点を進めないといけないので、メモを忘れないようにしましょう。
マーク模試は本番を想定!センター同日はモチベーションUP!
まとめ
- センター英語筆記はコツをつかめ!
- 大問ごとに出題傾向やコツが違うから、それぞれきちんと解いていこう
- センター英語筆記の配点は読解が7割!
- 高得点を取るためには読解ができることが必須!
- 志望校ごとの目標点数と勉強法をチェック!
- 必要な勉強がレベルごとに大きく変わってくるから注意!
- センターリスニングはあらかじめ問題を読む!
- 事前に問題を読むことで、正答率がぐんとUP!
- センターリスニングの勉強は「シャドーイング」で!
- CDの真似をして話すシャドーイングで、本番と同じスピードで英文が理解できるようになる!
*センター試験問題の出典:平成30年度本試験の問題|大学入試センター