- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
関東の名門・千葉大学の英語問題では、長文と英作文が中心に出題されます。『英文法』『英単語』などの細かい分野ごとには出題されない傾向にあるため、広く知識を組み合わせて問題を解く力が必要なのです。様々な分野をバランスよく学習し、しっかり対応できるようにしておきましょう!
この記事では、千葉大学英語の攻略に必要な情報を過不足なく、また読者の皆様のレベルごとにわかりやすくお伝えしていきます。
千葉大学入試の英語出題傾向
千葉大学の英語の入試は、「読む」「書く」ともにハイレベルな英語力が要求され、いかに正確に処理をしていくかが勝負の分かれ目となります。
千葉大学英語の各問題の特徴
千葉大学の英語の入試は、3つの大問の中で英語長文、和訳問題、英作文がバランスよく出題される形式です。どの問題も一朝一夕で身につくものではないため、特に英語長文や英作文まで長期的に計画を立てて学習していくことが大切です。
大問構成は以下のようになっています。以下に挙げている詳細な設問は2020年を参考にしています。
- 第1問 文法問題(空所補充・書き換え)
- 第2問 長文読解
- 第3問 長文読解
第1問:文法問題(空所補充・書き換え)(配点:不明)
- 2つの英文が与えられており、一方は完全な英文で他方は虫食いになっています。2つの英文が同じ意味を表すよう、3〜5語の英語表現を用いて空欄補充を行う問題です。10個の小問からなります。
- 一連の会話文が与えられており、10箇所空所があるので補充する問題です。
第2問:長文読解(配点:不明)
700語程度からなる英文の読解問題です。それぞれの小問は以下のようなものです。
- 本文の要約が与えられており、空所を埋めて完成させる問題
- 3つの英文が与えられており、それぞれ本文の内容に合うか判定する問題
- 4つの英文が与えられており、それぞれ本文の何番目の段落で言及されていたか判定する問題
第3問: 長文読解(配点:不明)
900語程度からなる英文の読解問題です。それぞれの小問では以下のような問題が出題されます。
- 下線部を、指示語の内容を明らかにした上で和訳する問題
- 下線部について、本文中でどのような見解が述べられているか説明する問題
- 下線部和訳
- 下線部を、指示語の内容を明らかにした上で和訳する問題
- 下線部の内容について言及されている理由を説明する問題
千葉大学英語の時間配分の例
千葉大学英語の試験時間は80分。本来解けていたはずの問題で取りこぼしてしまわないよう、計画的に解き進めることが非常に重要です。おおよそ10分刻みで時間配分を考えておくとよいでしょう。
大まかな方針としては、英作文や要約といった確実に得点できる分野を早めに解いておき、あとは得意・不得意を考慮しつつ、最小の労力で得点に結びつきやすそうな問題から優先して解くことになるでしょう。
時間配分の例
05分 | 全体を概観 |
15分 | 第1問:文法問題(空所補充・書き換え) |
25分 | 第2問:長文読解 |
35分 | 第3問:長文読解 |
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千葉大学英語で必要な学力レベル
ここまで見てきたように、千葉大学英語では読む力・書く力ともバランスよく身につけておくことが求められます。
では具体的に、どのような参考書をどう使えば良いか、その方法をご紹介します。
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、千葉大学の英語に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
千葉大学英語のレーダーチャートはこのようになりました。リスニングは出題されませんが、それ以外の分野はバランスよく勉強する必要がありますね。
『長文を素早く読み取れること』は大前提。そこからいかに文脈にふさわしい文章を導き出せるかが勝負の分かれ目です。問題演習を繰り返し、どの能力もしっかり上げていきましょう!
英単語
英単語はレベル3。特別に難しい単語が出てくるわけではありませんが、ターゲット1900など2000語程度の単語帳で安定した単語力をつけておく必要があります。
英単語を覚えないことには英語の勉強は始まりませんので、英単語は高1・高2の間に完成させておきたいですね。
一通り単語帳が頭に入ったら、大量の英文を読み、用法や文脈を確認しながら理解する作業を通じて、実戦的な単語力をつけていきましょう。
単語そのものの勉強は早めに終わらせて問題演習に時間を使うのがベストでしょう。
ハイレベルな単語運用力は、ただ単語帳を眺めるのではなく実際に問題を解いていく中で身につくため安心して学習を進めましょう。
英文法
英文法はレベル3。文法単独問題は出題されない傾向にあるので、英文法の勉強が直接点数に関わることはありません。とはいえ、英文解釈や英作文の力を伸ばすためには、英文法は必須です。
文法も英単語と同様、高3に入ると演習メインの学習になるため十分に時間を割けなくなってきます。そのため、英文法も早い時期から勉強していかねばなりません。
本番で必要十分レベルの知識を駆使できるよう、短期間で演習を繰り返し、文法を入試で使えるレベルまで引き上げておきましょう。
英文解釈
英文解釈はレベル3。千葉大学英語では和訳問題や、日本語による説明問題など、英文解釈能力が肝となる設問が多くみられます。
また、長文を読むにも英作文を書くにも、土台となる英文解釈の力は必須。英単語や英文法などの基礎を固めたら、立ち止まらずに英文解釈の学習へと移行するのが吉です。英文解釈の学習を始める時期は、千葉大学の受験においてポイントになるところです。時間をかけて計画的に学習を進めていきましょう。
長文読解
長文読解はレベル4。第2問では、毎年かなり長い文章が出題されます。大問1でも基本的には英文解釈の能力が問われていますが、第2問は特に文章が長いため、確実に合格点を取るためには正確性だけではなくスピードも重要な要素になります。
千葉大学の英語は、ほとんどが長文内容の和訳や英作文形式で出題されるため、長文全体を的確に把握し、文脈を捉えて早く正確に解釈できる人が合格します。
英作文
英作文はレベル3。問題形式はかなり幅広く、自由英作文形式の穴埋めや和文英訳、英文の書き換えなどかなり広範囲に渡ります。
様々な形式の英作文に共通して効果があるのは、例文暗記です。英作文であれば、どのような問題形式でも例文暗記が基本となるので、英作文対策の核として取り入れましょう。
特に和文英訳は、会話の流れにふさわしい文章を書かなければ得点にはなりません。そのため、ただ日本語を順番に英訳すればいいというものではないのです。よって、和文英訳の演習を行う際は、いかにして前後の文脈にふさわしい文章を作るかに注意しておいてください。
リスニング
リスニングは出題されないためレベル0としています。とはいえ音声トレーニングがまったくの無意味というわけではありません。
長文読解のための「音読」は必須の練習です。英文を声に出して読むことで英語のリズムを聴覚的に習得し、処理スピードを向上させることも重要です。
千葉大学英語が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここでは、今のあなたの学力を元に、「どのレベルから勉強すればいいか?」お伝えします。
「これから勉強を始める!」という人は順番通り進めるのがセオリー。
ある程度基礎はできており、これから千葉大学に特化していきたいという人は、途中から読み進めてもOKです。
語学の初歩:単語と文法
千葉大学を目指すからと言って、いきなりハイレベルな長文や英作文から始めても実力はつきません。地に足をつけて、基本から進めていくことが重要です。まずは英単語・英文法から手をつけましょう。
単語帳は3周やりきって7割以上覚えられている状態、英文法はスタサプをひと通り見て、問題集で8〜9割取れるようになっているレベルが目安です。
読解の基礎となる英文解釈についても、少し触れておけるといいですね。こちらは2周ほど読み進めていけばOKです。
このあたりまで、高校1年〜高校2年中盤を目処に習得できれば十分でしょう。
次に進むポイント
- ターゲット1200の単語は8割くらい覚えている
- 文法事項は一通り理解している
- SVOCとはなにか、句と節の違いなど、英語の読み方の基本がわかっている
入試に必須の力:「英文解釈」と「長文読解」
単語と文法が身についただけでは、まだまだ千葉大学入試で戦えるようにはなりません。共通テストや千葉大学本番の問題は基本的に「英語長文」なので、まず前提として長文がしっかり読めるようになる必要があります。
とはいえいきなり長文を読んでも、「なんとなく」といった曖昧な読み方となってしまいます。
やり方がうまくハマって点を取れることもありますが、そのやり方ではいつも同じように良い点数を取るのは困難です。千葉大学入試に求められるのは、安定した得点力なのです。
そこで、まずは英語のルールを忠実に守りながら「英文解釈」を習得し、すらすらと正確に読めるようになりましょう。
単語、英文法、英文解釈の勉強を一通り終えたら、「入試の基本」レベルとしてこの本で長文の学習を始めましょう!今まで学んだ知識を生かして解きましょう!英文の構造がある程度把握できるようになったら、少しずつ分量を増やしていきます。
まずはこの本を最低でも2周やりきって、8割〜9割の正答率まで持っていきましょう。
足腰となる文法・語法・イディオムは「スタディサプリ」「Vintage」で身につけていきます。英文解釈や長文シリーズは、入試に向けて一つずつレベルを上げながら対策を進めましょう。
ここまでやりきれば、共通テストレベルは7〜8割解けるようになっているはずです。まだ難しければ、共通テストの前身であるセンター試験の過去問や長文問題集を音読して英語のリズムをより一層頭に定着させ、また単語・文法の復習をしてスピードと理解度を上げていきましょう。
高2冬〜高3の春辺りまでにこのレベルまで仕上がっていればOKです。
次に進むポイント
- 「基礎英文解釈の技術100」がスラスラ読める
- 500〜600語程度の長文問題が30分以内に解ける
- 共通テスト過去問で7割以上取れる
千葉大学英語に立ち向かうための読解力・作文力を習得
ここまできたら、実際の入試レベルまで引き上げるべく、さらに読解演習をこなしていきましょう。
千葉大学入試の英文和訳で確実に得点するには、あらゆる構文パターンに満遍なく触れておくことが近道。少なくとも「英文解釈の技術」まではやっておきましょう。
長文は記述問題が豊富に収録されている「ポラリス」シリーズも活用。慣れてきたら徐々に語数を増やしていき、長い文章・難しいテーマでも時間内に読めるようにしていきます。
千葉大学英語の代名詞とも言われる英作文の力も少しずつ固めていきましょう。土台となる英単語・英文法はここまでのカリキュラムを通じて既に固めてあります。
あとは十分に演習をこなし、実際の英作文に必要な表現・英文の書き方を身につけていくのが狙いです。
これらの長文演習や英作文の基本が高3の夏前に仕上がっていれば非常にGOOD!この通り進まなくても悲観する必要はありませんが、遅くとも夏の終わりまでには済ませておきましょう。
次に進むポイント
- センターや共通テストの長文問題はほとんど間違えない
- 英作文の基本的な考え方、和文和訳の考え方がわかる
- センターや共通テストで9割以上取れる
千葉大学入試レベルまで引き上げる!仕上げの読解・英作文など
ここまでのカリキュラムをきっちりこなせば基本的な入試対応力は身についているはずなので、ここからは千葉大学英語に絞って更なる得点力UPを目指します。
千葉大学の長文はテーマこそ難解ですがものすごく長いということもありません。そのため本番での点の取り方から考えても「ポラリス2」や「イチから鍛える英語長文700」レベルまでしっかり読めれば十分。ここまでは参考書で仕上げて、残りは過去問に取り組むとよいでしょう。
基本的な参考書を終えたら、千葉大学の過去問で仕上げていきます。実際に千葉大学英語を解いてみると、得点ゲットのコツが一気に掴めるので、モチベーション高く演習していきましょう。
こういった仕上げの参考書は高3の夏から秋にかけてやりこむのが王道。
- 過去問赤本(5〜10年分)
赤本は時間を測って取り組むのがよいでしょう。本番で解く順番を意識できるので、秋に東進で開催される千葉大本番レベル模試あたりから、本番に向けて仕上げに使っていきましょう。
ここまで見てきたように、千葉大の英語では英文解釈、長文読解、英作文についてバランスよく仕上げておく必要があります。
これら3つの技能を習得するためには、英単語や英文法について早くから勉強しておく必要があるので、単語と文法は高校1・2年生の間に済ませておくとかなり有利ですね。
- 取りこぼしがないように各分野をバランスよく勉強しよう!
- 700語程度の長い文章や英作文が中心のため、『読む・書く』スピードも身につけよう!
- 足腰となる単語・文法は、1・2年生のうちに済ませておくのが大切!
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■ 参考書マップとは? ■
STRUXの「参考書マップ」は、受験までにやるべき勉強を「順番通りに」すべて洗い出したもの。「いつまでに」「どの順番で」勉強をすればいいかがひと目で分かるので、あとはこの通りに勉強するだけ!という状態になります。
- 「どの順番で」参考書に取り組めばいいかひと目でわかる!
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