- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
慶應義塾大学環境情報学部の英語は、長文読解のみ出題されます。文章量がかなり多く難易度も高いため、基礎をしっかり固めつつ長文読解の問題演習を十分にやっておく必要があります。
この記事では、慶應義塾大学環境情報学部英語の特徴やレベル別勉強法など、攻略に必要な情報をすべて解説します。
慶應義塾大学環境情報学部の英語出題傾向
慶應義塾大学環境情報学部の英語には、リスニングや英作文は出題されません。総合政策学部と同様、2016年度以降は700語程度の長文2題と1000語程度の長文1題の計3題が出題されています。環境情報学部はテクノロジーやIT関連といった専門的なテーマが出やすい傾向にあるため、その分野のトピックには普段から敏感になっておきましょう。
慶應義塾大学環境情報学部英語の各問題の特徴
解答はすべてマーク形式です。
大問構成はこのようになっています。
※大問構成は年度・学部により変更となることがあります。ここに挙げたものは一例です。
- 第1問 長文読解(空所補充+内容理解)
- 第2問 長文読解(空所補充+内容理解)
- 第3問 長文読解(空所補充+内容理解)
第1、2、3問 長文読解(空所補充+内容理解)
大問1、2、3ともすべて同じ形式で、長文内の空所補充と、内容に関する設問が出題されます。語数は大問1、2が例年700語程度、大問3が1000語程度あり、ですが、選択肢も含めるとかなりの量の英文を読む必要があります。
内容理解に関する問題はきちんと精読しないと解けないので、論旨を丁寧に押さえていく必要があります。空所補充も単純な文法・語彙だけでなく内容を理解しないと解けない問題が多いので、読解には速さと正確さの両方が求められます。
第2問 長文読解(空所補充+内容理解)
第1問と同じ形式です。語数は例年700語程度。
第3問 長文読解(空所補充+内容理解)
第1問・第2問と同じ形式ですが、語数が多く例年1000語程度。問題数も大問1、2より多くなっています。
慶應義塾大学環境情報学部英語の時間配分の例
試験時間120分のマーク形式です。2016年度以降、大問1、2がそれぞれ700語程度で設問が各15問、大問3が1000語程度で設問が30問という傾向が続いています。
大問3が文章量も問題数も一番多いので、大問1、2で時間を使いすぎないよう注意しましょう。
時間配分の例
00:00 | 第1問 長文読解(30) |
00:30 | 第2問 長文読解(30) |
01:00 | 第3問 長文読解(45) |
解く順番は、大問1、2、3の順でいいでしょう。馴染みのないテーマでキツイと判断したら、いったん後回しにするのも手。解ける問題は確実にモノにしましょう。難問に固執するあまり時間切れになり、本来解けるはずの問題を落としてしまった、というのは避けたいところです。
学習塾STRUXではこれらの勉強計画を
□ 受験生の今の成績に合わせて
□ 受験までの日数に合わせて
□ 受験生それぞれの得意・苦手に合わせて
オーダーメイドで作成して、計画の実行・改善まで毎日の勉強を管理します。
慶大環境情報学部英語で必要な学力レベル
慶應義塾大学環境情報学部では、長文読解がすべてです。そのため、長文問題を速く正確に解くために必要な学力に絞って伸ばしていくのがいいでしょう。
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、慶應義塾大学環境情報学部の英語に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
慶應義塾大学環境情報学部のレーダーチャートはこのようになります。
英作文やリスニングは出題されませんが、長文読解で高いレベルが求められます。 長文問題に対応するためには、単語・文法・英文解釈で確実に基礎固めを行い、実践的な問題演習を繰り返す必要があります。
英単語
英単語はレベル4。高い語彙力が求められます。具体的にはターゲット1900の後半まで瞬時に英語→日本語に変換できるような単語力は必須です。また演習していてわからない単語が出てきたら、その都度積極的に覚えていきましょう。テクノロジーやIT分野の英単語は進んで覚えていくことをおすすめします。
英文法
英文法はレベル3。特段難しい文法は必要ありませんが、長文読解に必要な基本的な文法を完璧にする必要があります。英文を読む際に日本語を介さずに英語のまま理解できるようトレーニングを積みましょう。文法を完璧にすることで長文読解を攻略するための基礎力を養うことができるので、カリキュラムに従って覚えきってしまいましょう。
英文解釈
英文解釈はレベル3。 文法と同じく長文の読解力を高めるために必要です。出題される英文に極端に難しい文構造は使われていませんが、大量の英文を速く正確に処理するためにしっかりした基礎力が求められます。したがって高度な英文解釈は不要ですが、基本的な英文解釈を完璧にする必要があります。カリキュラムの参考書を9割以上完成させることを目標に演習をしていきましょう。
長文読解
長文読解はレベル5。慶應大学環境情報学部では何と言っても高度な速読力が求められます。文法や英文解釈で基礎を固めた後、演習を徹底的に行いましょう。 大問3題ともすべて長文読解で構成されているため、長文をいかに攻略するかがすべてです。とはいえ、いきなり難しい長文に取り組むのではなく難易度の低いものから確実にこなしていきましょう。またテクノロジーやIT関連のテーマが頻出するので、同じテーマの長文に積極的に取り組んだり、過去問演習を繰り返し行って慣れておくことをおすすめします。
慶應義塾大学環境情報学部英語が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、慶應義塾大学環境情報学部英語の攻略に必要な勉強内容について解説します。「学校のテストはイマイチ。基礎からじっくりやりたい!」という人ははじめから進めてほしいですし、「ある程度基礎はできていて、これから慶大環境情報学部に特化していきたい!」という人は、学習の進捗度に応じて途中から取り組んでもらってOKです。
【基礎が命】英単語と英文法を固めよう
慶大に限らず、英語はまず英単語と英文法が基礎になります。焦っていきなり長文問題をやっても、土台がしっかりしていないと実力はつきません。まずは英単語と英文法で基礎固めをしましょう。
慶應義塾大学環境情報学部の英語で大量の長文を処理するためには、単語力が必須です。単語力はリーディングの速さと正確さに直結するので、しっかり鍛えておけばそれだけ入試で有利になります。ターゲット2冊に載っている単語の8割以上は、1秒以内に英語→日本語の変換ができるくらいまで繰り返しやり込みましょう。
英文法は「高校英文法をひとつひとつわかりやすく。」を一通り理解してから、スタディサプリ「スタンダードレベル英文法」の講義をすべて視聴してください。その後問題集に取り組んで、8割以上正解できるようやり込みましょう。
並行して、英文解釈についても少しずつ勉強していけるといいですね。
こちらは2周ほど読んでおきましょう。2周目は、明らかにわかっているところは読み飛ばしてOK。
このあたりを高2中盤までに終わっておくと良いペースです。
次に進むポイント
- ターゲット2冊の単語の8割は1秒以内に意味が分かる
- 「入門英文法問題精講」の8割は正解できる
- 「英文読解入門 基本はここだ!」の内容を一通り理解できた
基本レベルの「英文解釈」と「長文読解」を身につける
単語と文法は大切ですが、それだけでは合格できません。基礎を身につけたうえで、共通テストや二次試験に必ず出題される「長文問題」を解けるようになる必要があります。
とはいえ、いきなり長文問題の演習を始めるのはちょっと待ってください。まずは英文の構造を素早く正確に把握するために「英文解釈」の技術を身につけましょう。
まずは「入門英文解釈の技術70」で、構文を一通り理解しましょう。その後、「イチから鍛える」シリーズで長文読解の問題演習に取り組んでください。
「イチから鍛える」はそれぞれ2周以上はやり切って、8割正解できるレベルまで持っていきましょう。長文内に出てきた単語や文法でわからないところがあれば、その都度しっかり覚えてください。
だんだんレベルを上げていきます。「Vintage」を1冊やり切り、入試に必要な文法事項を網羅しておきましょう。さらに英文解釈と長文読解ももう一段階レベルアップして、入試問題に対応できる実力を身につけましょう。
ここまでの内容で苦手な部分・理解していない部分は確実につぶしておく必要があります。高3の夏以降になると、基礎をやり直す時間はなかなか取れません。分からない部分をそのままにしていると、あとから響いてきます。
ここまでを高3春くらいまでに完璧にしておくといいでしょう。
次に進むポイント
- 問題をやっていて、構文が取れなくて困ることはほぼない
- 「イチから鍛える英語長文」で8割以上正解できる
- センター過去問で7割以上正解できる
二次試験に太刀打ちできる「長文読解」を実践
各大学の二次試験レベルに対応できるよう、さらに長文読解力を磨いていきましょう。
「ポラリス」には記述問題も含まれますが、避けずにきちんと解きましょう。慶大環境情報学部の英語はマーク形式ですが、深い内容理解のために記述問題も解いておいて損はありません。「イチから鍛える」とともに何回もやり込んで、速く正確に長文を処理できるようトレーニングを積んでおきましょう。返り読みせず、英語の語順通りカタマリごとに意味を取っていくのが、速く読むコツです。返り読みがクセになっている人は、早い段階から意識して矯正しておきましょう。長文の中に出てきた単語・熟語を積極的に覚えることで語彙力も同時に強化すれば、効率よく実力が身につきます。
ここまでを、高3の夏休みが終わるまでにやり切れるといいペースです。
次に進むポイント
- センターや共通テストの長文問題は難なく読める
- 上記2冊の問題を制限時間内に解ける
- 上記2冊の問題を8割以上正解できる
慶大環境情報学部入試を攻略!「長文読解」の総仕上げ
ここまでで一般的な二次試験レベルの実力は身についたはず。あとは「難関」と言われる慶大環境情報学部にフォーカスし、さらに長文読解の精度を上げていきます。
実際の入試問題にフォーカスした「ポラリス」をやり込み、入試に頻出の長文テーマに幅広く触れておきましょう。特に慶應義塾大学環境情報学部に頻出のテクノロジー関連のテーマは要チェック。使われている単語や熟語もすべて覚えましょう。収録された長文を時間内にスラスラ読めるまで、繰り返しやり込んでください。
ここまでを、夏~秋にかけてやり切ると良いでしょう。
- 過去問慶應の英語
- 過去問赤本(5〜10年分)
夏~秋にかけてポラリスをやり込み、秋以降は「慶應の英語」や「赤本」を使って過去問演習に取り組みましょう。赤本は直近10年分くらいの過去問を時間を計って解いてみてくださいましょう。難問に固執せず解ける問題を確実に解けるよう、解く順番や時間配分を身体に叩き込んでおけば、入試本番にも落ち着いて臨めるはずです。