皆さんは「世界史の勉強の仕方がわからない…」「世界史の成績が上がらなくて困っている…」「どの参考書を使って勉強すれば良いか分からない…」といった悩みを抱えていませんか?
この記事ではそんな世界史に悩める人たちに向けて、「第一志望に受かるためには、どんな参考書を使って、どれくらいの時間、どんな勉強をすればいいのか」を丁寧に解説します!
世界史の勉強法については以下の動画でも解説しています。






世界史の勉強法の全体像を知ろう

世界史勉強のステップは、大きく3つ。


世界史の勉強のゴールは「入試問題が解けるようになること」。入試問題を解けるようにするための勉強が「問題演習」なわけですが、問題演習をする前提として、世界史の単語の知識がなければ問題を解くことすらできません。だから「単語暗記」の勉強が必要になります。
そして「単語暗記」をするにあたっては、単語を覚える土台となる「歴史の流れ」の理解が必要です。「歴史の流れ」を知らずに闇雲に単語を覚えていては、暗記効率も悪いですし、一問一答のような問題にしか答えられなくなってしまいます。

それでは以下で具体的な勉強の流れを確認していきましょう。
世界史の勉強法ステップ①:まずは歴史の流れ=通史を理解しよう
世界史の勉強で必要なことは、時代ごとの特徴や次の時代へ移ったきっかけなど「歴史の流れ」をきちんとつかむことです。
実際の入試で問われる選択式問題や論述問題でも、「以下の出来事a~eを起こった順番にならべなさい」「〜という過程を論述しなさい」といった歴史の流れを問う問題が出題されます。
また、それだけではなく最初に歴史の流れをつかむことで、そこに用語や問題の解き方を関連づけることができます。先に流れを理解して、単語を関連づけることで、「暗記が苦手!」という人でも暗記がしやすくなるはずです。
そして通史の勉強で意識しないといけないことは、「ヨコ」と「タテ」の2つの繋がりに注目すること!

ある地域での出来事が、別の地域に影響を与えている、なんてこと世界史ではよくありますよね。
例えば、宗教改革の中でスイスから発生した、カルヴァンの教えを信じるカルヴァン派という一派は、スイスを飛び出してイギリスやアメリカ大陸にまで広がっていきました。
このようにある出来事が国を越えて広がっていくことを「ヨコ」のつながりと言います。
一方「タテ」の繋がりは、ある時代の出来事が、未来に影響をもたらすことを指します。
例えば「ある国で貧富の格差が広がると、社会主義の思想が強まる」といったことが起こりますが、これは「タテ」の繋がりです。
このヨコとタテのつながりの積み重ねこそが「歴史」の流れです。
この歴史の流れをつかむ具体的な勉強法は、以下の2記事を順番に読むことで詳しく理解できるようになっているのチェックしてみてください。
通史の手順その1:全体像把握
まずはざっくりでいいので歴史の流れを把握します。
通史の手順その2:概略理解
ざっくり流れを把握できたら、もう少し細かく、タテ・ヨコを意識しながら流れを押さえていきます。
世界史の勉強法ステップ②:通史の次は単語暗記
歴史の流れをひととおり完成させれば、世界史を暗記する準備は完了です。歴史の流れをつかんだ後は一気に単語暗記を進めていきます。


世界史の暗記でオススメの方法が「一問一答」を使うこと。
一問一答は問題形式になっているので、 どこまで知識が定着しているかがわかりやすく、かつ「その単語がどれくらいの頻度で出るか」ということまで書かれているのでとても使いやすいのです。
この時にやってはいけない勉強は、自分でノートを作ること。ノートを作る時間がもったいないですし、問題形式ではないのでどこまで自分が理解をできているかわからない、といった弱点があります。

単語暗記

基本的に、単語の理解や暗記は今まで紹介した勉強法やこれから紹介する参考書で十分対応できる。しかし勉強する中で「この単語の意味ってどういう意味なんだろう?」「文字だけ読んでいてもよくわからない…」となることが出てくると思う。そんな人にオススメなのが「用語集」と「資料集」だ!
用語集や資料集を使うことで、通史や暗記の勉強をより効率よく行うことができます。
用語集は世界史の単語の意味を調べるのに便利ですし(入試は用語集を基準に作られています)、資料集は年表や写真がのっているので歴史の流れを理解することにも、暗記をすることにも使えます。
用語集は一問一答や教科書をやっているときに、意味がわからない単語が出てきたときに「辞書」として使います。たまに用語集を一問一答のように使っている人がいますが、あまりにも数が多く入試には必要のない単語も含まれいるので、やめましょう!
資料集は通史の勉強をするときに手元に置いておくと、年表やイラストで歴史の流れを理解することができます。「文字だけだとよくわかんないなあ…」と思った人は是非使って見るとよいでしょう。

用語集・資料集について
世界史の勉強法ステップ③:最後に問題演習で総仕上げ
通史もやったし、暗記もやった!という人は総仕上げとして、志望校向けの対策をしていきましょう。志望校によって、「選択式の問題」「単語を答える問題」「論述問題」など、出題される問題が大きく異なります。あなたの志望校の形式に合わせて、必要な分野の演習を重ねていきましょう。

実際の入試では、一問一答のような穴埋め形式の問題だけでなく、論述問題や時代順に出来事を並び替える問題が出されため、一問一答だけで対応するのは不可能です。
特に論述問題では、ゼロから自分で解答を作らなければなりません。具体的には、「問われている時代を絞り込む」「書くべき出来事を並べる」「図で出来事を示す」という手順を踏んで解答をつくる必要があります。
ただ頭のなかで思いついた単語を並べても、高得点をとることはできないのです。

選択式・単語解答演習こちら!(私大志望の人向け)
論述演習はこちら!(国立志望・上智など一部私大の人向け)
共通テスト演習はこちら(理系の人向け)
大学入試の世界史勉強にオススメの参考書
勉強法がわかったところで、続いて「通史」「単語暗記」にオススメの参考書をそれぞれ見ていきましょう。参考書の「具体的な使い方」「マスターにかかる日数」は各参考書の紹介欄にあるリンク先の記事に詳しく書かれているのでチェックしてみてください。
世界史の「通史」を学ぶオススメ参考書
まずは通史をする際にオススメの参考書をご紹介します。
通史理解で重要なのは、「繰り返し読む」こと。何度も繰り返し読むことでだんだんと定着し、理解が深まっていきます。
逆に言えば、1周目で覚えられないのは当たり前です。気にする必要はないので、3周以上しっかり繰り返し学習する中で、少しずつ学んでいきましょう。
通史のオススメ参考書①:中高6年間の世界史がざっと学べる
この参考書は、中高6年間で学ぶ世界史全体を理解できるように構成されています。説明が分かりやすくて面白いので、世界史が苦手な人でも取り組みやすいです。
世界史の受験勉強をしたことがないという人は、まずこれに取り組みましょう。
この参考書の具体的な使い方はこの記事をチェック!
通史のオススメ参考書②:ナビゲーター世界史B
これは世界史の流れが講義形式でまとめられた全4巻の参考書です。原因と結果のわかりやすい説明によって、歴史の流れが覚えやすくなっています。面白くて役に立つエピソードも盛りだくさんです。

この参考書の具体的な使い方はこの記事をチェック!
単語暗記のオススメ参考書
続いて単語暗記にオススメの参考書をご紹介します。
単語暗記のポイントは、「悩まないで解けるようになること」と「解説を読み込むこと」。
問題を見てすぐに解けなければ、単語が定着しているとは言えません。試験本番で悩まず解答できるためには、練習で即答できるレベルになりましょう!
また単語暗記の際には、解説をしっかり読み込むことが重要です。なぜならそうすることで「自分がなぜ間違えたのか?」を知ることができるからです。
暗記していない事項があるかもしれませんし、勘違いして覚えている部分があるかもしれません。解説を読んで、自分の知識を補強していきましょう。知識を補強することで、ミスが少なくなっていきます。
単語暗記のオススメ参考書①:山川一問一答
これは有名な東進の一問一答シリーズの参考書です。「世界史B」教科書に掲載されている歴史用語を一問一答形式で解いていく構成になっています。重要度が3段階に分かれて表示されているので、志望校のレベルに合った問題だけを解くことができます。
「通史は終わったけど単語は全然覚えられてない…」「入試で必要な単語を一通り覚えたい!」という人にオススメです。
この参考書の具体的な使い方はこの記事をチェック!
単語暗記のオススメ参考書②:実力をつける世界史100題
この参考書は問題文が歴史の流れを説明したものになっているので、通史を復習しながら問題演習をすることができます。解説も非常に詳しく、関連する重要語句や因果関係などを整理してくれる親切設計です。

この参考書の詳しい使い方はこの記事をチェック!
単語暗記のオススメ参考書③:世界史標準問題精講
これは難関大入試で合否の分かれ目になる96題を収録した参考書です。実際の入試問題から良問を厳選して掲載しています。
問題の解説に加えて、難問の類題にも対応できるようになる内容を取り上げた「精講」を掲載していて、これを読むことで知識をより広げて深めることができます。
「共通テスト世界史で90点は下回らない!」「早慶や旧帝大レベルの単語の不安をなくしたい!」という人にオススメです。
この参考書の詳しい使い方はこちらをチェック!
世界史の勉強法|お悩み相談!!
世界史の文化史は勉強しないんですか?

もちろん志望校によっては、文化史の勉強は必要になってきます。
文化史のポイントは「試験直前」に勉強をすること。文化史は覚える量がとにかく多いので、普段からやっていては時間がなくなってしまいます。とはいえ、文化史で出題される問題は簡単な問題が多く、少しの対策で差をつけることができます。
そのため、学校の定期試験や模試の直前に繰り返し、勉強をすることで知識を詰めていきましょう。
加えて、覚える単語は「教科書に載っているもの」でOKです。
一問一答には資料集にも載っていないような単語もありますが、試験では滅多に出ないので覚える必要はありません。詳しい文化史をやるタイミングや範囲はこちらの記事で説明しています。
世界史の勉強はいつからやればいいのですか?

世界史の勉強するタイミングは他の科目の出来や配点によって変わります。英語数学で順調に成績が伸びていれば、高3の4月から勉強をスタートしてしまってOKです。ただし英語数学の基礎ができていない状態で世界史を1日2,3時間もやるような勉強はやめましょう。
世界史の勉強法|まとめ
①「歴史の流れ」を理解してから暗記をすること
②間違った暗記の仕方では記憶に残らない!
③問題演習は志望校の問題形式を見てからやること!