- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
西日本の名門・神戸大学の英語はその名にふさわしく総合力が問われる試験。そんな神戸大学英語だからこそ、きちんと傾向をつかんで必要な対策に絞っていくことが重要です。
この記事では、神戸大学英語の攻略に必要な情報を余すことなく、また読者の皆様のレベルごとにわかりやすくお伝えしていきます。
神戸大学の英語出題傾向
問題数がずば抜けて多いわけではありませんが、考えさせる記述問題に比重が置かれているのが特徴です。素早く長文の全体像を掴み、要約や自分の意見を確実に表現できるよう繰り返し演習を行いましょう!
神戸大学英語の各問題の特徴
大問構成は次のようになっています。
- 第1問 長文読解
- 第2問 長文読解
- 第3問 長文読解
第1問:長文読解(配点45/125)
第1問は長文の読解問題です。重要箇所を自身の日本語で簡潔に説明する力が備わっているか、筆者の論理展開を把握しているかが問われます。英作文は、内容を踏まえたうえでしっかりとした自分の意見を述べているか、論理構成がしっかりしているか、文法・語彙が適切かがポイントです。
それぞれの小問では以下のような問題が出題されます。(2020年の例)
(1)下線部の意味を50字以内の日本語で具体的に説明する問題。
(2)下線部を置き換えるのに最も適切な一続きの語句を,本文中から抜き出す問題
(3)下線部和訳。
(4) 空欄に入る最も適切な表現を選択肢の中から選ぶ問題。
(5) 本文の内容をふまえ、自分の意見を60語程度の英語で書く問題。
第2問:長文読解(配点35/125)
第2問も長文の読解問題です。重要箇所を自分のことばで正確かつ簡潔に説明する力が備わっているか、口語表現が理解できているか、英語特有の表現を自然な日本語に言い換えられるかが問われます。
それぞれの小問では以下のような問題が出題されます。(2020年の例)
(1)下線部の内容を30字程度の日本語で具体的に説明する問題。
(2)空欄に入る最も適切な会話表現を選択肢から選ぶ問題。
(3)下線部の内容を受けて、登場人物はどのように考えたか30字程度の日本語で答える問題。
(4)下線部和訳。
(5)内容合致問題。
第3問:長文読解(配点45/125)
第3問も長文読解となります。難読語を類推する力と基本的な文法・ 語法力が問われます。英作文は、本文を正確に理解したうえで自分の考えをまとめることができているか、また論理構成や文法・単語の運用は適切かがポイントです。
それぞれの小問では以下のような問題が出題されます。(2020年の例)
下線部の内容を25字程度の日本語で具体的に説明する問題。
5つの下線部それぞれについて,本文中の意味に最も近いものを選ぶ問題。
下線部和訳。
空欄に入る適切な英文を選択肢から選ぶ問題。
下線部について、自分の解釈を70語程度の英語で書く問題。
神戸大学英語の時間配分の例
神戸大学の英語は80分。本来解けていたはずの問題で取りこぼしてしまわないよう、計画的に解き進めることが非常に重要です。おおよそ10分刻みで解く方針を決めておくとよいでしょう。
方針としては、自分の得手・不得手に応じて得点に繋がりやすそうな問題から優先して解くことになります。
時間配分の例
5分 | 全体を概観 |
25分 | 第1問:長文読解 |
25分 | 第2問:長文読解 |
25分 | 第3問:和文英訳 |
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神戸大学英語で必要な学力レベル
ここまで見てきたように、神戸大学英語では読む力・書く力とも高いレベルで身につけておくことが求められます。
では、具体的にどのような参考書をどうやって使えば良いか、その方法をご紹介します。
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、神戸大学の英語に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
神戸大学の英語のレーダーチャートはこのようになりました。リスニングは出題されませんが、長文読解を中心に全ての分野で高い完成度が求められています。
またどの大問でも記述形式の問題が出題されますので、『読める』だけでなく『書ける』英語力を身につけていかなければなりません。自由英作文や説明問題も出題されるようになってきており、付け焼き刃の英語力ではなく総合力を測ろうとする大学側の意図が伺えます。以下を参考にしながら入念に対策していきましょう。
英単語
英単語はレベル4。特別に難しい単語が出てくるわけではありませんが、自分が演習した単語帳に載っている単語に関しては、見たら すぐに意味や用法がわかるようになるまで完璧にしましょう。1冊を徹底的に演習して完成させることがポイントです。
神戸大学の入試では、ほぼ英作文や長文読解しか出題されないので、単語そのものの勉強は早めに終わらせて問題演習に時間を使うのがベストでしょう。
ハイレベルな単語運用力は、ただ単語帳を眺めるのではなく実際に問題を解いていく中で身につくので安心して次に進みましょう。
英文法
英文法はレベル4。文法問題単独で出題されることはありませんが、長文で空所補充問題など文法力がないと解けない問題が出題されます。自由英作文でも文法が間違っていれば減点されることをることを避けたりすたりするためにも下記のカリキュラムを参考に文法力をつけていきましょう。いかに文法知識を組み合わせて長文読解や英作文に対応できるかが大切です!
文法も単語と同じように、神戸大学英語の攻略の基礎となります。
本番で必要十分レベルの知識を駆使できるよう、短期間で演習を繰り返して文法を定着させましょう。
英文解釈
英文解釈はレベル4。神戸大学の試験では長文をスムーズに読み進めるためだけではなく和文英訳や本文中の指示語の説明を求める問題が出題されることがあり、それらに対応しなくなくてはなりません。複雑で難解な文を解釈できるようになる必要はありませんが、和訳や指示語の説明問題などを正確に解いていけるよう、抜かりなく対策を行いましょう 。
どんな問題も、まず英文を読めないことには始まらないので、単語・文法の集中学習は高1の早い段階で済ませ、早い段階から英文解釈の演習を積んでどんどんライバルに差をつけていきましょう!
長文読解
長文読解はレベル5。空所補充、内容一致や本文の要約問題などが出題されます。速読力はそれほど求められませんが、本文を正確に把握し内容を理解するための精読力が求められます。
本文を読み進める時にパラグラフや段落ごとに何が書かれていて、どんな主張がされているのかをまとめながら演習することをおすすめします。どんなテーマに関する文章も、まずは本文をしっかり把握することが大切です。
英作文
英作文はレベル4。神戸大学では例年80語前後の自由英作文が出題されます。自由英作文では、与えられたテーマに対して自分の意見を書く必要があります。そのため、まずは英文を書く時に論理的で一貫性のある文章が書けるように文の型を身につける必要があります。それができるようになってきたら、基本の型を守りながら自分の考えを書く演習を繰り返しましょう。
また、ある程度のスピードで文章を理解する能力も必須となるので、数をこなして読み取りスピードを鍛えておきましょう!
リスニング
リスニングは出題されないためレベル0としています。とはいえ音声トレーニングがまったくの無意味というわけではありません。
長文読解において「音読」は必須能力。英文を声に出して読むことで英語のリズムを聴覚的に習得し、処理スピードを向上させることも重要です。
神戸大学英語が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、ズバリ神戸大学英語で合格点を取るための勉強方法をご紹介します。みなさんのレベル別に取り組めるよう書いてありますが、「これから勉強を始める!」という人は順番通り進めるのがセオリーです。
高校基礎レベル
神戸大学を目指すからと言って、いきなり難しい長文や英作文からやりはじめても力はつきません。必ず基本から着実に進めていくことが重要です。まずは「英単語」「英文法」から始めましょう。
英単語の入門はターゲット1200がよいでしょう。単語の学習は、英文が読めるようになるための第1歩です。
単語は知っているのに、英文の意味がわからない。それは文法を知らないから。キッチリ押さえて、英文を読めるようにしていきましょう。
自動詞や他動詞、SVOCなどの文型は覚えていますか?英文解釈は非常に大切なため、じっくり取り組みましょう。
単語、英文法、英文解釈の勉強を一通り終えたら初めての長文の勉強です。今まで学んだ知識を活かして解きましょう!
単語帳は3周やりきって7割以上覚えられている状態が目安です。
読解の基礎となる英文解釈についても、少し触れておけるといいですね。こちらは2周ほど読み進めていけばOKです。
このあたりまで、高校1年〜高校2年中盤を目処に習得できれば十分でしょう。
次に進むポイント
- ターゲット1200の単語は8割くらい覚えている
- 文法事項は一通り理解している
- SVOCとはなにか、句と節の違いなど、英語の読み方の基本がわかっている
入試基礎レベル
単語と文法を身につけただけでは、まだまだスタートラインといったところです。共通テストや神戸大学本番の問題は基本的に「英語長文」なので、まず前提として長文読解力を鍛える必要があります。
とはいえいきなり長文を読んでも、「なんとなく」といった曖昧な読み方となってしまいます。
まれ稀に感覚的な読み方でうまくいくかもし知れませんが、その方法ではいつか通用しなくなるとき問題に出くわしてしまいますが来るかもしれません。神戸大学入試に求められるのは、安定した英文解釈の力です。
そこで、まずは英語のルールを忠実に守りながら「英文解釈」をできるようにして、すらすらと正確に読めるようになりましょう。
文法は絶対に守らなくてはいけない英語のルール。しかし、丸暗記だけでは入試問題に対応できません。授業を聞いて、文法の全体像を理解していきましょう!
スタディサプリで文法のルールをインプットしたら、次はアウトプットの練習です。問題を解いてはじめて知識は定着し、理解度も深まります。
共通テストや日東駒専・産近甲龍レベルの大学の英文を読むための、重要な参考書です。頻出の文構造を身につけましょう!
共通テストより若干簡単なレベルの長文です。単語や文法、英文解釈の知識が身になっているか確認するのにうってつけです!
英作文が課される大学を受験するなら必須の一冊。英作文の基本ルールや考え方、鉄板表現を覚えていきましょう!
英文法はスタディサプリをひと通り見て、問題集で8〜9割取れるようになっているレベルが目安です。
まずはこれらの本を最低でも2周やりきって、8割〜9割の正答率まで持っていきましょう。
共通テストレベル
ターゲット1200が完璧になったら、実際の大学入試で出題されやすい単語を勉強していきます。これさえ完璧にできればほとんどの大学で単語の心配無し!
まだまだ文法の勉強は続いていきます。共通テストや、国公立大学の文法問題で確実に得点するため、より高度なインプットを進めていきましょう。
この1冊を完璧にすれば、文法の基本〜標準レベルは完璧!アウトプットを通して文法を身につけましょう。
和文英訳や、日本語での説明問題などで、もっとも問われやすいレベルの問題集です。全ての問題で、文構造を把握できるようにしていきましょう。
共通テスト〜MARCHレベルの長文が並びます。音読を通して速読の練習も行います!
問題の解き方に特化した実戦的な参考書。「基本は押さえたはずなのに、なぜ間違えたのかわからない」という人にもオススメです。
英作文のハイレベルな問題を突破するために避けて通れないのが例文暗記。ユメサクで紹介されている豊富な例文を暗記し、英語での表現力を高めましょう。
足腰となる文法・語法・イディオムは「スタディサプリ」「Vintage」で身につけていきます。英文解釈や長文シリーズは、一つずつレベルを上げ入試に向けて対策を進めていきましょう。
ここまでやりきれば、共通テストレベルは7〜8割解けるようになっているはずです。まだ難しければ、共通テストの問題や長文問題集を音読したり単語や文法を復習したりして、スピードと理解度をあげていきましょう。
高2冬〜高3の春辺りまでにこのレベルまで仕上がっていればOKです。
次に進むポイント
- 「基礎英文解釈の技術100」がスラスラ読める
- 500〜600語程度の長文問題が30分以内に解ける
- 共通テストで7割以上取れる
神戸大学英語入門
実際の入試レベルまで引き上げるべく、さらに問題演習をこなしていきましょう。
さらに文法のレベルを高めていきます。実戦的な演習で、Vintageよりワンランク上の実力を身につけましょう!
ここで紹介されるのはどれも難解な英文ばかり。特に、和訳の能力が重要視される大学を志望する受験生にとっては非常に良い練習になります。ひとつひとつの英文に丁寧に取り組んでいくことが大切です。
MARCH〜早慶、国公立大学レベルの長文が並びます。様々な問題形式を通じて、英文読解の実力を鍛えていきましょう!
難しい英文になった途端に解けなくなる、という人もこの本があれば安心。自分の弱点や、思考プロセスの妥当性を見極めるきっかけとなってくれるはずです。
自由英作文が出題される神戸大学には必須。みだりに難しい単語や文法を使うのは却って逆効果です。自由英作文の基本的な考え方や、減点されない書き方を学んでいきましょう。
神戸大学入試の英文和訳で確実に得点するには、あらゆる構文パターンに満遍なく触れておくことが近道。少なくとも「英文解釈の技術」まではやっておきましょう。
長文は記述問題が豊富に収録されている「ポラリス」シリーズも活用。慣れてきたら徐々に語数を増やしていき、長い文章・難しいテーマでも時間内に読めるようにしていきます。
あとは十分に演習をこなし、実際の英作文に必要な表現・英文の書き方を身につけていくのが狙いです。
これらの長文演習や英作文の基本が高3の夏前に仕上がっていれば非常にGOOD!この通り進まなくても悲観する必要はありませんが、遅くとも夏の終わりまでには済ませておきましょう。
次に進むポイント
- 英作文の基本的な考え方、和文和訳の考え方がわかる
- 共通テストで9割以上取れる
神戸大学英語実戦
ここまでのカリキュラムをきっちりこなせば基本的な入試対応力は身についているはずなので、ここからは神戸大学英語に絞って更なる得点力UPを目指します。
長文読解の最高峰です。この1冊で実力を鍛え上げ、過去問演習に入っていきましょう!
- 過去問赤本(5〜10年分)
本番を想定し、時間を測りながら取り組みましょう。
神戸大学の長文はテーマこそ難解ですがものすごく長いということももありません。そのため本番での点の取り方からしても「ポラリス3」レベルまでしっかり読めれば十分。ここまでは参考書で仕上げて、残りは過去問に取り組むとよいでしょう。
仕上げはもちろん神戸大学の過去問で仕上げていきます。実際に過去問を解いてみると一気にコツが掴める場合が多いので、モチベーションを維持しながら演習していきましょう。こういった仕上げの参考書は高3の夏から秋にかけてやりこむのが王道です。
また、各予備校が実施している大学別模試も、本番同様の緊張感の中で取り組むことができるためオススメです。
まとめ
神戸大学の英語は、長文読解や英作文を高いレベルに仕上げていくことを目標に勉強していきましょう。
また、神戸大学の英語は記述問題が選択式の問題と同じくらいの比率で出題されます。ですので、いかに記述問題でスペルミスや文法間違いなどで失点しないかが合否の分かれ目と言えます。他の受験科目にも多くの時間をかける必要があるため、上記のカリキュラムを参考に無駄なく学習していきましょう。
長文の説明問題があるため、素早く文章の全体像を把握できるように読解スピードを上げましょう。
自分の考えを述べるタイプの英作文があるので、無理のない単語・文法を駆使して自分にも採点者にもわかりやすく表現できるようにしましょう。
小問の数がずば抜けて多いわけではありませんが、そのひとつひとつがじっくり考えさせるタイプの問題ですから、時間配分はきちんと考えておきましょう。