- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
慶應義塾大学看護医療学部の英語は大問7問で構成され、文法・読解・自由英作文といった幅広い内容が出題されます。ただ難易度はいずれも標準的なものなので、基礎からしっかり対策しておけば十分合格を狙えます。
この記事では、慶應義塾大学看護医療学部英語の傾向から必要な勉強内容まで、攻略に必要な情報を網羅的に解説します。
慶應義塾大学看護医療学部の英語出題傾向
慶應義塾大学看護医療学部は大部分がリーディングですが、例年100~150語程度の自由英作文の大問も出題されます。リーディングでは文の挿入や並べ替え問題も出題されるため、英文の単純な意味理解だけでなく、文章全体の流れを把握する論理的思考力も要求されます。
慶應義塾大学看護医療学部英語の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 空所補充(語彙・文法)
- 第2問 空所補充(長文)
- 第3問 文挿入
- 第4問 文整序
- 第5問 単語
- 第6問 長文読解
- 第7問 英作文
第1問 空所補充(語彙・文法)
英文が1文ずつ出題され、空所にあてはまる適切な選択肢を選ぶ問題。それぞれ独立した1文で出題されるので、読解ではなく語彙・文法を問う問題です。
混同・誤用されがちなものが中心に出題されるものの、基本的な内容なので、時間をかけずに全問正解を狙いましょう。
第2問 空所補充(長文)
長文内の空所に入る適切な単語を選ぶ問題。語彙力を問う問題がほとんどで、難易度も標準的です。普段の学習から、単語単体だけでなく熟語・イディオムといった語のカタマリでの意味も覚えるようにしておきましょう。
第3問 文挿入問題
長文内の空所に、適切な文章を挿入する問題。ただし何も入れる必要がない空所もあり、消去法は使いにくくなっています。単純に英文の意味を取れるだけでなく、長文全体の流れを意識して適切な文章を入れる国語力も要求されます。時制が一致しているかなど基本的な事項で選択肢を絞り込み、文章の展開を丁寧につかんで解答していきましょう。
第4問 文整序問題
与えられた4つの文章を正しい順序に並べる問題。前後の段落の文章を読み、内容から判断する必要があります。大問3の文挿入問題と同じく、全体として自然な流れになるように順序を決める国語力が要求されます。
第5問 単語
綴りの一部・品詞・日本語訳が与えられ、合致する英単語の頭文字を答えさせる問題。純粋な単語力がモノを言う大問なので、標準的な単語帳に出てくる単語はしっかり押さえておきましょう。スペルもある程度知っておく必要があるので、普段の学習から意識しておきましょう。
第6問 長文読解
オーソドックスな長文読解問題。下線部の内容説明や、長文内容・筆者の主張に関する適切な説明文の選択問題のほか、和訳や文挿入など様々な問題が出題されます。和訳以外はほとんどが選択問題で、長文の難易度も標準的ですが、一部だけ読んで正解できるほど簡単ではありません。文章全体の話の展開をつかみながら、丁寧に解いていきましょう。
第7問 英作文
与えられたテーマに対し、自分の考えを100~150語で述べる問題。具体例や理由の提示も求められます。テーマは書きやすいものが多いため、自分の主張を論理的に、誤りのない平易な英文で表現できるかがカギ。
慶應義塾大学看護医療学部英語の時間配分の例
大問7問に対し、試験時間は90分。選択問題がほとんどですが、長文読解の和訳問題や自由英作文といった記述問題も一部含まれており、あまり時間に余裕はありません。
時間配分の例
00:00 | 第1問 空所補充(語彙・文法)(9) |
00:09 | 第2問 空所補充(長文)(12) |
00:21 | 第3問 文挿入(14) |
00:35 | 第4問 文整序(12) |
00:47 | 第5問 単語(7) |
00:54 | 第6問 長文読解(18) |
01:12 | 第7問 英作文(18) |
長文読解はもちろんのこと、文挿入や文整序問題もある程度時間がかかります。さらに英作文には最低でも15分以上は残しておきたいところ。第1問と第5問のような知識系の問題はなるべく速く解き終わるように心がけましょう。
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慶應看護医療学部英語で必要な学力レベル
慶應義塾大学看護医療学部の英語では、難問はほぼ出題されませんが、その分深い内容理解が要求されます。文挿入や文整序問題は、表面的な理解では解答が難しく、英文の大意を把握する力と、文章の自然な流れを作る論理的思考力が必要です。私立には珍しく和訳問題や自由英作文といった記述問題も出題されるので、こちらも対策が必要になります。
レーダーチャート
ここでは学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、慶應義塾大学看護医療学部の英語に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
慶應義塾大学看護医療学部のレーダーチャートはこのようになります。
長文と英作文のシンプルな設問ですが、記述式問題が多く正確に読めていないと点数を高めることができない点でやっかいな問題です。
英単語
英単語はレベル4。文章中で難しい単語、専門的な単語が出題されることがあるため、「リンガメタリカ」や「ターゲット1900」の後半まで完璧にしたいところです。設問のなかに単語単体で問う問題があるため、スペルまである程度覚えておく必要があります。
英文法
英文法はレベル4。空所補充問題や長文の穴埋めなど、文法のみでなく語法・イディオムも含めた問題が出題されるので、様々な形式の問題集に取り組む必要があります。
英文解釈
英文解釈はレベル3。あまり複雑な構文は出題されませんが、長文読解で和訳問題が出題される可能性があります。また多くの長文を速く正確に読む上でも、英文解釈は重要なスキルになります。
長文読解
長文読解はレベル5。ノーマルな出題形式だけでなく、文挿入や文整序問題も出題されるため、文章全体の正確な理解と過去問も交えた対策が不可欠になります。時間に余裕がないため、場合によっては捨てる問題も選ばなければならないかもしれません。
英作文
英作文は100語〜150語でエッセイが求められます。問題形式自体はシンプルな自由英作文なためレベルは3としていますが、語数も含めた形式に慣れておく必要があります。
慶應義塾大学看護医療学部英語が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、慶應義塾大学看護医療学部の英語で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、ある程度基礎はできていて、これから慶應看護医療学部に特化していきたい!という人は途中から読み進めてもOKです。
英単語・英文法でまずは基礎を固めよう
勉強でもスポーツでも、基礎がしっかりしていないと大成することはありません。私大最難関の慶應だからといって、いきなり難しい問題をやっても成長は期待できません。まずは英語学習のベースとなる英単語・英文法をしっかり固めていきましょう。
慶應義塾大学看護医療学部の英語では、単語単体の意味を問う大問が出題されます。そのため単語力は合格の要と言えるので、「ターゲット」を何回も繰り返し、少なくとも8割以上は覚えましょう。
英文法については「高校英文法をひとつひとつわかりやすく」と「スタディサプリ」で文法知識を一通りインプットしたら、問題集でアプトプットすることで定着を図ります。8割以上解けるようになったら次に進みましょう。
英文解釈についても、並行して少しずつ取り組んでいきましょう。
こちらは2周ほどざっと読んで、内容を一通り理解できればOKです。
ここまでを高2の中盤までに終わっておけると、良いペースと言えます。
次に進むポイント
- 「ターゲット」の単語は8割以上覚えている
- 文法事項を一通り理解している
- SVOCなど、英文構造の基本を理解している
入試に必要な「英文解釈」と「長文読解」を磨く
単語・文法の知識だけでは、入試問題は解けません。入試に必須の「長文問題」を解けるようになる必要があります。まずは長文を正確に読むために必要な「英文解釈」のスキルを身につけ、その後長文問題の演習に取り組みましょう。
まずは入試基礎レベルとして「入門英文解釈の技術70」を仕上げましょう。英語構文の取り方がわかったら、実際に長文問題に取り組んでみましょう。
1回やったら終わりではなく、自信がない問題はしっかり理解できるまで何回も繰り返しましょう。中途半端なまま先に進んでも、実力が身につかず、あとからどんどん苦しくなります。
基礎レベルが終わったら、テキストのレベルを上げます。「Vintage」で入試頻出の文法・語法・イディオムを身につけていきます。英文解釈と長文読解も一つずつレベルを上げ、入試に向けてどんどんレベルアップしていきましょう。
ここまでを完璧にしていれば、共通テストレベルの問題であれば7~8割は解けるはず。
なかなか結果が出ない場合、これまでのテキストで曖昧なまま放置している部分がないか、よく見直してみましょう。焦って新しい参考書に手を出す前にまずは手持ちのテキストを完璧にすることが、合格への近道です。
ここまでを高3春までに仕上げておくといいでしょう。
次に進むポイント
- 「基礎英文解釈の技術100」が難なく読める
- 長文読解の問題集で7割以上正解できる
- センターや共通テストの過去問で7割以上とれる
入試レベルの「長文読解」や「英作文」を実践
ここまでで基礎固めができたので、入試レベルの問題に対抗できるようさらにレベルを上げます。
慶應義塾大学看護医療学部では語彙・文法・語法を問う大問が出題されます。知識さえあればすばやく確実に得点できるので、「全解説頻出英文法・語法問題1000」で重点的に対策しておきましょう。
読解問題では和訳を含む幅広い問題が出題されるため、「英文解釈の技術100」であらゆる構文パターンを勉強しておくと安心ですね。長文対策では「イチから鍛える」シリーズの他、記述問題の良問がそろっている「ポラリス」も活用し、読解力をさらに高めていきましょう。
受験生によって差がつきやすい英作文は、確実に点を稼ぎたいところ。基礎となる単語力・文法力はあるはずなので、上記2冊で英作文の基本的な技術・考え方を身につけます。
ここまでを高3の夏のうちに仕上げておきましょう。
次に進むポイント
- 「全解説頻出英文法・語法問題1000」は8割以上解ける
- センターや共通テストの過去問は時間内に8割以上解ける
- 和文和訳といった英作文の基本的な考え方を理解している
慶應看護医療学部合格へ向けた、仕上げの読解・英作文
ここからは、慶應義塾大学看護医療学部のカギを握る長文読解と英作文を重点的に対策していきましょう。
慶應義塾大学看護医療学部の長文はそれほど難解ではありませんが、文挿入や文整序問題など少し特殊な形式が出題される傾向にあるため、文章全体の深い内容理解が要求されます。「ポラリス3」レベルまでしっかり仕上げておきましょう。
英作文についても、基本をつかんだら自由英作文の対策へシフトしましょう。自由英作文は一人でやっていても自分の解答がベストなのか判断しづらいため、学校や塾の先生に添削をお願いすることをおすすめします。
これらの参考書を、高3の夏から秋にかけてやりこみましょう。
- 過去問慶應の英語
- 過去問赤本(5〜10年分)
ここまでやりこめば、慶應義塾大学看護医療学部の英語攻略に必要な実力は身についているはず。高3の秋以降は時間を計って過去問演習に取り組み、直近10年ほどの出題傾向を押さえておきましょう。解く順番や時間配分を決めておくとともに、必要により問題を取捨選択するトレーニングも積んでおけば、落ち着いて本番に臨めるはずです。