- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
旧帝国大学の一角・東北大学の英語は。そんな東北大学英語だからこそ、きちんと傾向をつかんで必要な対策に絞っていくことが重要です。
この記事では、東北大学英語の攻略に必要な情報を余すことなく、また読者の皆様のレベルごとにわかりやすくお伝えしていきます。
東北大学の英語出題傾向
東北大学の英語入試は、Reading、Writingともに高いレベルの英語力が要求されます。
また全体の問題量も多く、限られた制限時間の中でいかに素早く処理できるかが勝負の分かれ目となっています。
東北大学英語の各問題の特徴
大問構成は次のようになっています。
- 第1問 長文読解
- 第2問 長文読解
- 第3問 会話文
- 第4問 和文英訳
第1問:長文読解(配点: 不明)
第1問は長文の読解問題です。重要箇所を自身の日本語で簡潔に説明する力が備わっているか、本文の論理展開を把握しているかが問われます。
それぞれの小問では以下のような問題が出題されます。(2020年の例)
- 下線部の内容を日本語で説明する問題
- 下線部が抽象的な表現になっており、その内容を日本語で具体的に説明する問題
- 上に同じ
- 下線部を和訳する問題
- 下線部の単語に最も近い意味を持つ英単語を、与えられた4つの選択肢の中から1つ選ぶ問題(計4問)
第2問:長文読解(配点: 不明)
第2問も長文の読解問題です。第1問のような説明問題に加え、英文の並べ替え問題が出題されるため、英文相互の論理的つながりをより重視して読解に取り組む必要があります。
それぞれの小問では以下のような問題が出題されます。(2020年の例)
- 下線部が指し示す内容を日本語で説明する問題
- 与えられた4つの英文を適切な順序に並び替え、本文中の空所に当てはめる問題
- 本文中の空所に入る最も適切な英文を、与えられた4つの選択肢の中から1つ選ぶ問題
- 下線部を和訳する問題
- 与えられた7つの英文の中から、本文の内容に一致するものを3つ選ぶ問題
第3問:会話文(配点: 不明)
第3問は会話文に関する出題となります。2020年は馬術部への入部にまつわる会話文が出題され、入部する・しないといった2つの立場から英作文を書く問題が出されました。普段から、Yes/No双方の立場で自由英作文の練習をしておくことが大変有効です。
それぞれの小問では以下のような問題が出題されます。(2020年の例)
- 下線部の語句に最も近い意味をもつ語句を、与えられた4つの選択肢から1つ選ぶ問題
- 会話文の内容に基づき、相反する2つの立場の主張をそれぞれ50〜70語で記述する英作文の問題
第4問:和文英訳(配点: 不明)
第4問は和文英訳問題です。2020年は、限界に挑戦したいと願う人間の欲求に関する論説文が出題されました。本文を正確に理解したうえで文脈に沿った英訳ができているか、また文法・単語正しく運用できているかがポイントです。
東北大学英語の時間配分の例
東北大学入試英語の試験時間は100分。説明問題や英作文など相当な記述量が求められるので、普段の学習からきちんと時間配分を考えておかないと本番で失敗することも十分あり得ます。大切なのは一部の問題に凝ることではなく、全体を合格レベルの答案に仕上げることです。目的と手段が逆になってしまわないためにも、およそ5〜10分刻みで時間の使い方を考えておきましょう。
以下に時間配分の一例を示します。
時間配分の例
0:00 | 全体を概観 |
0:05 | 第1問:長文読解 |
0:30 | 第2問:長文読解 |
0:55 | 第3問:会話文 |
1:15分 | 第4問:和文英訳 |
学習塾STRUXではこれらの勉強計画を
□ 受験生の今の成績に合わせて
□ 受験までの日数に合わせて
□ 受験生それぞれの得意・苦手に合わせて
オーダーメイドで作成して、計画の実行・改善まで毎日の勉強を管理します。
東北大学英語で必要な学力レベル
ここまで見てきたように、東北大学の入試英語は、長文を読みこなす力・要点を押さえて自分の言葉で説明する力・立場と根拠を明確にしながら自由英作文を書く力および文脈に沿って平易な表現で和文英訳を行う力が問われます。単語や文法といった知識は単なる前提条件であり、考えて表現する力を重視する東北大学の理念が窺えますね。こうした技能を一朝一夕で身につけることは不可能です。
しかし、安心してください。みなさんが東北大学の合格を勝ち取るためには具体的にどのような方法を取るべきか、その方法を考えていきましょう!
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、東北大学の英語に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
東北大学の英語のレーダーチャートはこのようになりました。特に英作文や英文読解で高い到達度が求められます。
英単語
英単語はレベル4。東北大学などの旧帝国大学ではターゲット1900レベルの語彙力が必要とされます。また、単語帳を眺めているだけの勉強では単語力向上は難しいでしょう。
英文解釈や長文読解などの実戦的な訓練を積んでいくと、必要レベルの単語には何度も出会います。ひとつひとつの単語がどのような文脈で用いられるかは、単語帳に載っている例文を読んだだけでは十分に理解するのは困難です。
読解演習をたくさん行い、何度も同じ単語に出会うことで血の通ったボキャブラリーが培われていくのです。
英文法
英文法はレベル3。東北大学は英文法単独で出題してくることはないので、長文読解や英作文をする上で困らない程度の文法力があれば十分でしょう。語法・イディオムまで入念に取り組んでおくことで、更なる読解レベルの向上が期待できます。
英文解釈
英文解釈はレベル4。みなさんが和訳する英文はあくまでも長文の一部であるため、参考書を選ぶ際にも題材となる本文が長いものを選ぶようにすると、文脈に沿った英文解釈の練習ができます。
長文読解
長文読解はレベル5。長文2問と会話文1問の構成になっており、それぞれ語数も900〜1000語とボリュームがあるため、単に長文の内容を把握するだけでも最初はかなり大変です。内容把握を前提とした上で、説明問題や英作文に取り組まなければなりません。そのため、読解のスキルは東北大学入試英語の攻略に不可欠。十分に訓練しておきましょう。
英作文
英作文はレベル4。第3問では自由英作文が出題されており、第4問はまるまる和文英訳となっています。自由英作文では、対立する2つの立場から物事を考え、根拠を示しながら英語で表現する訓練を日頃から行う必要があります。普段やっていないことを本番でいきなり成功させることはできません。
さらに、和文英訳は本文の単語一つ一つ語英語に直していくだけの作業では到底合格点を取ることは叶いません。なぜなら、東北大学の和文英訳で出題される本文は英語でそのまま置き換えるにはあまりに難解だからです。
つまり、文脈を考慮しながら易しい表現にいったん置き換えて、それを英訳するといった考え方が重要です。このような上級者向けの和文英訳は京都大学や大阪大学でもよく出題されているため、これらの大学の過去問を積極的に活用しましょう。
リスニング
リスニングは東北大学英語に出題されないため、共通テストレベル(レーダーチャート3)程度までできていれば問題ありません。とはいえ音声トレーニングが東北大学の2次試験にまったく役に立たないわけではありません。
長文読解において「音読」は必須能力。英文を声に出して読むことで英語のリズムを聴覚的に習得し、処理スピードを向上させることも重要です。
東北大学英語が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、ズバリ東北大学英語で合格点を取るための勉強方法をご紹介します。みなさんのレベル別に取り組めるよう書いてありますが、高校英語自体これから取り組むといった人の場合、初めの高校基礎レベル編から順番に取り組むとよいでしょう。
東北大学への道もまずは基本から、英単語と英文法
東北大学を目指すからと言って、はじめから長文や英作文を解こうとしても効果はありません。必ず基本から着実に進めていくことが重要です。まずは「英単語」「英文法」から始めましょう。
ターゲット1200は高校英語入門書として必携の単語帳です。まずはこの本で、大学受験の準備として基礎的なレベルの単語力を身につけていきましょう。さらにターゲット1900まで習得できればほとんどの大学で単語に悩むことはなくなるでしょう。
「ひとつひとつ」は英文法の習得に使用します。英単語だけ知っていても、英文は安定して読めるようになりません。それは英文の組み立てルール、つまり英文法を知らないからです。英文法は、単語と同じくらい大切なものですから腰を据えて取り組みましょう。
スタディサプリでは、標準的な英文法の知識を頭に入れていきましょう。英文法に丸暗記で挑んでしまうと、断片的な知識ばかりが積もってしまうことになり、東北大学入試には太刀打ちできません。英文法を使いこなして読解できるようになるためには、考え方を体系的に理解することが必須なのです。
スタディサプリを英文法のインプット用教材とするなら、入門英文法問題精講はアウトプット用の本といえます。インプットとアウトプットを並行して進めることで、英文法の知識はより頑丈なものになることでしょう。
スタディサプリ高3では、より高いレベルで英文法を使いこなせるようになりましょう。この教材でもし行き詰まってしまったら、入試基礎レベル編で紹介した高2スタンダード文法編に戻るとよいでしょう。東北大学のようにハイレベルな大学を目指していると、早く次のレベルに進まなければと自分を追い詰め、1冊の問題集に固執したり挫折してしまったりする受験生が多いものです。しかし、焦る必要はありません。いま自分にできることを着実にこなしていくことが合格への一番の近道です。
単語帳や文法書で得た知識を駆使して、英語で書かれた文を少しずつ読めるようにしていきます。単語や文法は地味な作業だといって敬遠する高校生は多数いますが、英文解釈の学習と並行して行うことで知識を使いこなせている実感が湧き、その結果モチベーションを高く保って英語学習を続けることができます。
このあたりを高校1年〜高校2年中盤までにやり切れば、ペースは上々です。
次に進むポイント
- ターゲット1200の単語は8割くらい覚えた
- 文法事項は一通り理解できた
- 主語と動詞など、英文を構成する重要パーツを素早く見抜けるようになった
東北大学入試で求められる力を少しずつ養成、「英文解釈」と「長文読解」
高校基礎レベルから少しずつ東北大学のレベルに向けてステップアップしていきましょう。基本が身につくだけでは点数には繋がりません。共通テストや東北大入試の基本は「長文読解」ですから、ここからは長文の読み方を習得していく必要があります。
とはいえいきなり長文を読み始めても、「なんとなく」しか読めません。長文読解の基本となる「英文解釈」をまずは身につけ、すらすらと読めるようになることが先決です。
入門英文解釈の技術70では、入試によく出る英文の構造を網羅することができます。共通テストや日東駒専・産近甲龍レベルの英文解釈にはそうそう困らなくなります。
長文Basicで、長文対策を始めていきましょう。英語がたくさん書かれていると難しそうでハードルを感じてしまう人も多いと思いますが、長文といっても結局のところはひとつひとつの英文の集まりです。一文一文を丁寧に読むことを心がけていれば、たとえ分量が増えようとも恐れることはありません。
長文300は、共通テストよりも若干簡単といったレベルの長文問題集です。これまで学習してきた単語や文法・英文解釈の知識がしっかりと身についているか確かめるのにもってこいです。
Vintageを身につければ、文法の標準レベルは完璧です。アウトプットをガンガンこなして文法の知識を定着させましょう。
基礎英文解釈の技術100は、英文和訳や日本語による説明問題で問われやすいレベルの問題集です。各章は例題と演習問題の2題からなるため、1周目は例題にのみ取り組んで考え方を理解し、2周目は演習問題を解いて考え方をアウトプットする訓練としてもよいでしょう。文構造を素早く把握できるようになるまで繰り返し演習しましょう。
長文500に取り組むことで、共通テスト〜MARCHレベルの長文に触れることができます。ところで、音読の練習は継続できていますか?英語も読み・書き・話すことで使いこなせるようになる点では日本語と何ら変わりません。もし音読練習が疎かになっていたという人は、今日からでも構いません。習慣化していきましょう。
ここまでを高2冬〜高3春くらいまでに終えておけば今後スムーズに学習を進めることができるでしょう。
次に進むポイント
- 「基礎英文解釈の技術100」が難なく読める
- 500〜600語程度の長文問題が30分程度で解ける
- 共通テストで7割以上とれる
入試レベルの問題に太刀打ちできる「長文読解」や「英作文」
英文解釈の技術100では、ハイレベルな英文を通じて、英文解釈の技術をさらに高めていきましょう。東北大学もほとんどの国公立大学と同様に、英文和訳問題は当然出題されます。ひとつひとつの英文に丁寧に取り組み、本番で自信を持って英文和訳が解けるレベルを目指しましょう。
ポラリス1は、長文の基本的な読み方というよりは問題の解き方に重点を置いた参考書です。単語や文法もある程度身についており、英文解釈の練習も十分やっているのに読解問題となるとなぜか正解率が伸びないといった人はこの本を使うと合格へのヒントが得られるかもしれません。
長文700は、MARCH〜早慶、国公立大学レベルを中心とした長文問題集です。長文のテーマ・問題形式ともにバリエーション豊かなものが揃っているので、英文読解の実力をグングン伸ばしていくことができます。
東北大入試で出題される和訳で確実に加点するには、あらゆる構文のパターンに触れておくことがいちばんの近道。「英文解釈の技術」までは少なくともやり込んでおきましょう。長文はより記述問題がそろっている「ポラリス」シリーズも活用。徐々に語数を増やしていき、長い文章・難しいテーマでも時間内に読めるようにしていきます。
そして、確実に点を取りたい英作文も少しずつ固めていきます。英作文で重要な英単語・英文法はすでに学習してきたので、ここからは入試の英作文で押さえておくべき不可欠な表現や文章の書き方を身につけましょう。
英作文トレーニング必修編は、東北大学のように英作文を出題する大学の受験生なら必須。英作文の基本ルールや考え方、様々な場面で使える便利な表現を身につけていきましょう。
英作文において表現の幅を大きく広げてくれるのが例文暗記。基本の型を身につけることで、バリエーション豊かな作文力が身につきます。ユメサクで紹介されている例文を十分頭に入れ、英作文のスキルアップを図りましょう!
これらの長文演習や英作文の基本が高3の夏前に仕上がっていると、ペースとして非常に良いです。遅くとも夏が終わるまでには終わっているようにしましょう。
次に進むポイント
- 共通テストの長文問題はほとんど間違えない
- 英作文の基本的な考え方、和文和訳の考え方が理解できた
東北大学入試レベルまで引き上げる!仕上げの読解・英作文
基本的な入試対応力は身についたので、あとは東北大学に向けて絞り込んでいくだけ。得点力を高めていきます。
ポラリス2は、発展的な長文問題への対応力を磨くのに適しています。答えが合っていることも大切ですが、自分の考え方が的を外していないかを丁寧に確認することが非常に重要です。
ポラリス3は、最高レベルの長文問題集です。過去問演習に入る前の、仕上げの1冊として使いましょう。
英作文トレーニング実戦編は、東北大学英語で大問1つをまるまる占める和文英訳の上達にもってこいの1冊!これまでに暗記してきた例文を使いこなし、高得点へと引き上げる特訓をしていきましょう。
英作文トレーニング自由英作文編も、多くの受験生に愛されてきた1冊。自由英作文の基本的な考え方や、減点されない英作文を書くための実戦的ルールを学んでいきましょう。
- 過去問赤本(5〜10年分)
直近10年ほどの過去問は赤本で時間を測って取り組みましょう。実際にどの順番で解けば最も効率よく得点できるかを考えることは非常に重要ですから、秋の大学別模試以降は必ず過去問演習を中心とした学習に切り替えていきましょう。
まとめ
東北大学の英語は、長文読解や英作文を高いレベルに仕上げていくことを目標に勉強していきましょう。特に英作文では、スペル・文法のミスによる失点をどこまで抑えられるかが合否の分かれ目となります。
上記のカリキュラムを参考にしながら、時間を無駄にせず合格への道のりを歩んでいってください。
もっと具体的に「このとおりに勉強すれば英語の勉強は完璧、という参考書の流れが知りたい!」という方は、ぜひSTRUXの参考書マップを活用してください!
■ 参考書マップとは? ■
STRUXの「参考書マップ」は、受験までにやるべき勉強を「順番通りに」すべて洗い出したもの。「いつまでに」「どの順番で」勉強をすればいいかがひと目で分かるので、あとはこの通りに勉強するだけ!という状態になります。
- 「どの順番で」参考書に取り組めばいいかひと目でわかる!
- 「なぜこの参考書がおすすめなのか?」「かわりに使える参考書」もすべて紹介
STRUX参考書マップ公式LINEに登録することで、いつでも無料で見ることができます!
LINEに登録して参考書マップを見る