- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
東大に次ぐ文系の名門として知られる一橋大学の英語試験は、「基礎をしっかりと理解しているか」が問われます。
いずれの学部受験でも英語の得点比率が一番高いため、いかに英語を攻略するかが一橋大学合格の鍵です。
この記事では、一橋大学合格に向けた英語の勉強法をお伝えしていきます。
一橋大学の英語出題傾向
一橋大学の英語の試験は、「読む」「書く」「聞く」がバランス良く問われます。 難解な文法は出題されないものの、長文読解・英作文は文章量が多いこと、リスニングの解答が記述式であることで難易度が高めになっています。
そのため、1つ1つの文章を手早く正確に読み書きできる基礎力を身につけているかどうかが合否を分けるポイントです。
一橋大学英語の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
2019年までは長文読解と英作文の間に文法が入った5問構成でしたが、2020年からは4問構成となっています。
- 第1問 長文読解
- 第2問 長文読解
- 第3問 英作文
- 第4問 リスニング
第1問:長文読解
A4用紙2枚程度の英文(約700~800語)の英文を読み、5問程度の設問に答える問題です。設問は、文章の和訳や指示語の内容記述、単語の穴埋めが中心です。
文章量が多いですが、文法は平易なため1文1文正確に読み進めていきましょう。文章は専門的な内容が多いため、注釈がなく解釈しにくい単語が出てくることがあります。
そのため、前後の文脈をおさえて大まかな意味を推測できるようにしていきましょう。
第2問:長文読解
第1問に続き、A4用紙2枚程度の英文(約700~800語)の英文を読み、7問程度の設問に答える問題です。
設問は、文章の和訳や指示語の内容記述、単語の穴埋めが中心です。文章量は例年第1問より多いため、いかに文脈をつかみスムーズに読み進められるかが重要になってきます。
第3問:英作文
3つのトピックの中から1つを選び、100~130語で記述する問題です。例年「自分のオススメの本の紹介」や「写真に映っている状況の説明」等、知識の必要ない自由記述のトピックが出題されています。
複雑な文法を使わず、平易でも意味が通る文章を書くこと
自分の好きなことを書くあまり時間を使いすぎないこと
スペルミスがないこと
を意識して確実に得点していきましょう。
第4問:リスニング
流れてくる英文を聞き取り、6問程度の設問に答える問題です。2019年までは記述解答と選択解答が半々でしたが、2020年からは記述解答のみになっています。
記述解答に対応できるよう、聞き取りながら文章を書き起こす練習が必要です。リスニング開始数分前に、どんな質問があるのかざっと目を通しておくのも有効です。
もちろん聞き取りができることが大前提のため、共通テストで最低8割以上は得点できるレベルを目指しましょう。
一橋大学英語の時間配分の例
一橋大学の英語の制限時間は120分で、試験開始30分後に約20分間のリスニングが入ります。
他の大問を解いている最中にリスニングが入ると解答効率が悪くなりますし、一橋大学の英語は読解・記述ともに英文量が多いため時間配分はとても重要です。
リスニング前の設問確認をする時間を確保するために、25分程度で解答できる大問から解き始めましょう。
時間配分の例
00:00 | 第3問 英作文(25) |
00:25 | 第4問 リスニング(設問確認5+回答20) |
00:50 | 第1問 長文読解(30) |
01:20 | 第2問 長文読解(35) |
01:55 | スペルミス等 見直し(5) |
長文読解に自信がある方は大問1を最初に解くのも良いでしょう。リスニングまでに大問1を解き終われば後半に時間の余裕がうまれます。
ただ英作文はきちんと書けば高得点を狙いやすいため、最初に解くのが一番おすすめです。
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一橋大学英語で必要な学力レベル
一橋大学の英語は私大ほど難問奇問の出題はありませんが、総合力が求められる試験内容になっています。
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、一橋大学の英語に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
一橋大学のレーダーチャートはこのようになります。
一橋大学の英語のレーダーチャートはこのようになりました。東京大学の影に隠れているものの、一橋大学の英語は東大以上に総合力が求められる試験です。
リスニングも二次試験で出題されるため、ほぼ東大と同じような対策が必要となります。
英単語
英単語はレベル4。私大ほどの難しさではないですが、専門用語も出題されるため「ターゲット1900」や「システム英単語」レベルに加えて「鉄壁」などもおさえておくとより万全です。また、リスニングもあるため、単語の発音にも注意しておきましょう。
英文法
英文法はレベル3。英文法単独で出題される問題はないため、長文読解や英作文をする上で困らない程度の標準的な文法力が求められます。イディオムも基本的なレベルのものはしっかりおさえておきましょう。
英文解釈
英文解釈はレベル4。長文読解の和訳問題では文字数制限が設けられていることが多く、内容を正しく理解し端的に記述することが求められます。多くの英文にふれて英文解釈力を鍛えていくことが重要です。
長文読解
長文読解はレベル4。一橋大学の英語は英文量の多い長文読解が中心の試験のため、素早く正確に読み進めていく必要があります。素早く正確に読み進めるためには文脈をいち早くつかむ練習を積むことが重要です。
英作文
英作文はレベル5。3つのテーマのうちから1つを選んで答える自由英作文ですが、自分の考えを正確に英語化することが求められます。
文章をまとめる力に加えて、単語・文法的に不自然ではない表現を使えるかがポイントになります。
リスニング
リスニングはレベル5。そのため、共通テストレベルであれば最低8割以上は解ける程度までリスニング力を身につけましょう。
東大向けの問題集なども活用し、長い文章に聞き慣れておくことが重要です。
記述式問題のため、「なんとなく」では解けません。レベル5というだけあって、難易度の高い文章を正確に聞き取れるかどうかがポイントになります。
一橋大学英語が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、一橋大学の英語で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、「ある程度基礎はできている!これから一橋大学に特化していきたい!」という人は途中から読み進めてもOKです。
まずは基礎から、英単語と英文法を繰り返し復習
一橋大学は長文問題が多いからと言って、ただ英文を眺めて答えと照らしあわせるだけでは、合格に必要な基礎力は身に付きません。
まずは基本となる「英単語」と「英文法」を覚えて、1つ1つの文章を理解できるようにしていきましょう。
英単語は、まずはターゲット1200レベルで十分です。一度学習しても3日経てば半分以上忘れてしまいます。
重要なのは復習の回数。3日ぐらいに一度は、前回勉強した内容をテストしながら単語帳と英文法をそれぞれ3周しましょう。単語帳は8割、英文法は問題集で8~9割取れるようになったら次のステップです。
余裕があれば更に上のレベルの英単語、英文法にも挑戦してみましょう。次のステップの英文解釈についても触れておけるとGOODです。
この学習が高校3年生以降の学習の基礎力になります。高校1年〜高校2年中盤までにマスターできれば良いペースです。
次に進むポイント
- ターゲット1200の単語は8割以上覚えている
- 英文法問題集で8割以上が取れ、英文法の基礎が身についている
- SVOC等の英語の構成、句と節の違い、指示語等、英文の読み方の基本がわかっている
読むだけでなく読み解くための「英文解釈」と「長文読解」
英単語と英文法を覚えただけでは、英文をざっと眺めて「なんとなく意味はわかるけど・・・」という状態になりがちです。ここに加えて、英語の文章のルールである「英文解釈」を学べば英文が理解できるようになります。
しかし、初めは1文1文読むのがやっとで、一橋大学で出題されるような長文には太刀打ちできません。長文には長文の読み方というものがあります。「長文読解」を学ぶことで難しい長文でもスラスラと読めるようになります。
そのため「英文解釈」と「長文読解」を学び、英文を読み解く力を身につけましょう。
まずは「入試基礎レベル」として、この2冊に取り組んでいきましょう。「入門英文解釈の技術70」である程度構文が理解できたら、実際に長文を読んでいきます。
この2冊を最低でも2周はやりきって8割以上取れるようにしましょう。
2冊が終わったら次のレベルに進みましょう。よりハイレベルな文法・語法・イディオムを学ぶために「Vintage」に取り組みます。英文解釈と長文読解も1段階レベルを上げていきましょう。
この3冊まで完璧にやりきれば、共通テストレベルであれば7〜8割は読めるようになります。7〜8割も読めない、という場合は共通テストの過去問や参考書の音読、復習に取り組み読解スピードと理解度をあげていきましょう。
ここまでを高校2年冬〜高校3年春ぐらいまでに終わらせていれば良いペースです。
次に進むポイント
- 「基礎英文解釈の技術100」が無理なく読める
- 500〜600語程度の長文読解問題が30分程度で解ける
- 共通テスト過去問で7割以上の得点が取れる
共通テストで8割以上を目指すための「長文読解」「リスニング」の学習
共通テストで8割以上の得点を取るために、これまでの学習を更にレベルアップしていきます。
これまでの学習をしっかり行っていれば、基礎力はもう身についています。あとはより幅広い範囲を学ぶことで、様々なパターンにも対応がしやすくなります。
「英文解釈の技術」をマスターすることで長文読解がグッと楽になりますので、しっかりやりこんでおきましょう。
「ポラリス」シリーズは長文読解の記述問題が揃っているため、一橋大学の受験にはもってこいです。長文を読み進めるスピードを上げると共に、より多い語数の長文にも挑戦していきましょう。
リスニングは基本的な解き方、聞くときのポイントをしっかり学べば9割以上得点することは難しくありません。「センターリスニング合格の法則」を繰り返し聞いてリスニングに慣れること、単語ごとのイントネーションを意識して取り組みましょう。
センター試験に向けた長文読解、リスニングの学習は高校3年夏までに終わらせておきましょう。夏前までに終わらせることができれば、一橋大学試験の対策も余裕を持って進められます。
次に進むポイント
- 共通テスト過去問の長文読解問題で9割以上の得点が取れる
- 共通テスト過去問のリスニングで9割以上の得点が取れる
必勝一橋大学試験!仕上げの長文読解・英作文・リスニング
共通テストで9割以上の得点が取れる実力が身についたら、一橋大学合格に向けた対策を進めていきましょう。
具体的には、
700~800語クラスの長文読解
100~130語クラスの自由英作文
リスニングの記述回答
に対応できることを目指します。
一橋大学の長文読解は、語数こそ多いものの文法自体はそう難しいものは出されません。
「全解説頻出英文法・語法問題1000」で英文法の底上げをしつつ長文読解の演習を進めましょう。700語クラスの長文読解でも30分を切るくらいで回答できるようになったら、過去問に取り組み始めましょう。
自由英作文も対策を進めていきます。「ユメサク」を参考に、使えそうな例文を暗記することで英作文の回答スピードを上げることができます。暗記した例文を使って、「英作文トレーニング自由英作文編」や「英作文過去問演」を解いていきましょう。
リスニングは東大形式のキムタツシリーズを使いましょう。二次試験でのリスニング対策において、最高レベルと言える参考書です。
一橋大学試験よりも早いスピードのリスニングを練習することで、実際の試験で余裕を持って解き進められるようになります。
参考書をベースにした一橋大学試験対策は高校3年夏から高校3年秋で取り組みましょう。一度ではなく各参考書を繰り返し解くことが重要です。
- 過去問赤本(5〜10年分)
- 過去問一橋大の英語20カ年
参考書での対策が終わった高校3年秋以降はひたすら過去問を解いていきます。初めのうちは試験時間内に全問回答するのは難しいと思います。
大問ごとにどれぐらいの時間がかかったかを測り、詰まっている部分を把握しましょう。詰まっている部分の学習を補足すると共に、どの順番で解くのかを意識しつつ過去問に取り組むのが良いです。