- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
慶應義塾大学医学部の英語は、決まった出題傾向がなく、毎年少しずつ出題傾向が変わる可能性があります。長文問題の中で英文和訳・和文英訳・空所補充・内容把握とあらゆるタイプの問題が出題される上、近年では英作文の大問も出題されています。どんな問題にも対応できるよう、本物の英語力を身につけておきましょう!
慶應義塾大学医学部の英語出題傾向
慶應義塾大学医学部の英語ではハイレベルな長文読解に加え、近年では英作文だけの大問も登場しています。さらに長文問題の中でも、長文の内容を踏まえた自由英作文や長文の一部を英訳する和文英訳が出題される可能性があります。長文問題は記述問題の比重が大きいため高い精度で長文を読み込む必要があり、英語力だけでなく高い国語力も要求されます。
慶應義塾大学医学部英語の各問題の特徴
解答はマーク+記述形式です。
大問構成はこのようになっています。
※大問構成は年度・学部により変更となることがあります。ここに挙げたものは一例です。
- 第1問 長文読解
- 第2問 長文読解
- 第3問 長文読解
- 第4問 英作文
第1問 長文読解
空所補充・正誤問題・記述など例年多彩な問題が出題されます。記述問題では和訳・英訳のほか、問題文の内容を踏まえた自由英作文が出題されることも。また文字数制限ありの日本語で答える問題も出題されるため、うまく要点をまとめる高い国語力も要求されます。速読も重要ですが、正確に英文を読む精読力が合否を左右するでしょう。
第2問 長文読解
第1問と同様、多彩な長文問題が出題されます。
第3問 長文読解
第1問・第2問と同様の形式です。ただ第3問だけは、設問・選択肢すべて英語で表記されます。
第4問 英作文
英語でテーマが与えられ、それについて100語程度の自由英作文を書く問題です。テーマの説明は3文ほど(40語程度)と短く、答えようがないような嫌らしいテーマは与えられません。
テーマについて自分の意見を述べる必要があるので、英訳する力だけでなく自分の考えを論理的にわかりやすく伝える技術も要求されます。
慶應義塾大学医学部英語の時間配分の例
試験時間は90分。長文のボリュームもさることながら、記述問題が多く解答にかなり時間がかかるので、90分以内にすべての問題を終えるのは簡単ではありません。自由英作文には20分程度の時間は確保したいところなので、長文読解を70分以内に終わらせる必要があります。
時間配分の例
00:00 | 第1問 長文読解(22) |
00:22 | 第2問 長文読解(22) |
00:44 | 第3問 長文読解(26) |
01:10 | 第4問 英作文(20) |
これはあくまで目安。大問1、2、3の時間配分は記述問題の量によって変わります。具体的には選択式の問題が多い大問は早めに解き、記述問題が多い大問に時間をかけるといった調整が必要になります。大問4の英作文に20分確保するため、長文読解を70分以内に終わらせるようにしてください。
過去問演習をやりながら、自分の中で解く順番や時間配分を調整する訓練を積んでおきましょう。
学習塾STRUXではこれらの勉強計画を
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慶大医学部英語で必要な学力レベル
慶應義塾大学医学部では、リスニング以外のすべてにおいて高い完成度が求められます。長文読解では記述問題も多く出題されるため、すばやく論旨をつかむ速読力以上に精読力や文章構成力が重視されているといえるでしょう。
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、慶應義塾大学医学部の英語に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
慶應義塾大学医学部のレーダーチャートはこのようになります。
リスニング以外のすべての分野において高い学力が求められます。記述式の問題が多数出題されるので、英文の中身を読んで頭で分かるだけでなく、問われた内容を分かりやすく記述する力も問われます。こういった能力は一朝一夕では身につかないので、早い時期から記述問題のトレーニングを積んでおきましょう。
英単語
英単語はレベル4。長文問題は医学や科学、ジャーナルや英字新聞など幅広いテーマから出題されるため、専門的で難易度の高い単語が出題されます。だからといって最初から難しい単語に注力するのではなく、まずはターゲット1900などを活用して基礎固めを確実に行いましょう。単語帳を完成させたのちにテーマ別の単語集などを活用したり、多くの長文を読んで知らない単語を見かけた時に覚えたりしていきましょう。基礎固めは早めにこなしてしまい、その後も継続して語彙力を強化していく必要があります。
英文法
英文法はレベル4。文法問題単独で出題されることはありませんが、長文の空所補充問題などで文法力がないと解けない問題が出題されます。また長文をスムーズに読む基礎力をつけたり自由英作文で減点されることを避けたりするためにも、カリキュラムに沿って参考書を完成させていきましょう。
英文解釈
英文解釈はレベル5。慶應義塾大学医学部の試験では和文英訳が出題されることがあり、その際には高いレベルの英文解釈能力が求められます。さらに英文解釈の力は難解な長文をスムーズに読む上でも欠かせません。今まで英文解釈の勉強をしたことがない人にとってはかなり学習量が多い分野なので、英単語・英文法をひととおり学んだ後に早めに学習し始めましょう。
長文読解
長文読解はレベル5。単語・文法・英文解釈で十分演習を積んだ後に長文読解の演習に取り組みましょう。また長文読解が3題も出題されていて、速読力に加えて高い精読力が求められます。
大問ひとつひとつの文章量が多いわけではありませんが、記述形式の問題や内容を理解した上で考えて解答しなければならない問題が出題されます。ですので記述問題を含む長文読解の演習を通して精読力を養っていきましょう。長文読解は基礎的な問題集から演習を積んで、正確性・速さを共につけておきましょう。
英作文
英作文はレベル5。近年の慶應義塾大学医学部では大問4で100語程度の自由英作文が課されます。自由英作文ではテーマに対して自分の意見を述べなくてはいけません。ですので、まずは作文を書く時に論理的で一貫性のある文章が書けるように、主張・理由・結論などの文章の書き方を身につけることを意識して下記の参考書に取り組みましょう。それができるようになってきたら問題で聞かれたことに対して正確に無駄なく解答するように意識して取り組みましょう。
慶應義塾大学医学部英語が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、慶應義塾大学医学部の英語で合格点をとれるようになるための勉強内容を解説します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、「すでに基礎はできているので、これから慶應義塾大学医学部に特化していきたい!」という人は途中から読み進めてもOKです。
まずは土台となる英単語と英文法を固めよう
土台がグラグラしていたら、その上にいい家は建てられませんよね。勉強でも同じこと。いきなり難しい長文読解や英作文から始めても、土台がしっかりしていないと地盤沈下していくだけで力はつきません。まずは英語の基礎となる「英単語」と「文法」をしっかり身につけましょう。
慶應義塾大学医学部の長文読解では、高い語彙力が求められます。少なくともターゲットの8割以上は1秒以内に英語→日本語に変換できるようにしておきましょう。まだ覚えていない単語に絞って、スキマ時間もうまく使って何回も何回も繰り返しましょう。
英文法はまず「高校英文法をひとつひとつわかりやすく。」で基本を押さえ、スタディサプリの「スタンダード文法編」の講義をすべて見ましょう。その後問題集を9割以上正解できるまでやり切ってください。
英文解釈についても、早い段階で着手できるといいですね。
こちらは2周ほど読み進めて、内容を一通り理解しておきましょう。
ここまでを高1~高2中盤までにやり切っておくと良いペースです。
次に進むポイント
- 「ターゲット」の単語は8割以上覚えている
- 「入門英文法問題精講」で9割以上正解できる
- 「英文読解入門 基本はここだ!」の内容を一通り理解した
実践的な力をつける「英文解釈」と「長文読解」
土台作りがしっかりできたら、次はより実践的な力をつけていきましょう。共通テストや二次試験で必ず出題される「長文読解」にフォーカスした学習を進めていきます。
まずは長文を速く正確に読むために不可欠な「英文解釈」の技術を身につけましょう。
まずは基本レベルとして「入門英文解釈の技術70」をやり切ってください。ある程度構文が取れるようになったら、以下の問題集で実際に長文問題に取り組んでみましょう。
この2冊で9割以上正解できるレベルまで繰り返し演習を行いましょう。制限時間はあまり気にしなくていいので、構文を取ることを意識しながら丁寧に精読して問題を解いてください。間違えた場合、解説を読んで「なぜ間違えたのか」をしっかり分析しましょう。地道ですが、正解・不正解の理由まで突き詰めることは精読力が重視される慶應義塾大学医学部の英語で必ず生きてきます。
この段階で、標準レベルの文法事項は一気に網羅してしまいましょう。「Vintage」を1冊仕上げておけばOKです。英文解釈と長文読解は、一段階レベルを上げて入試に向けた実力を養成していきましょう。
ここまで仕上げれば、共通テストで7~8割は取れる実力が身についているはず。理解が不十分な部分があれば、丁寧に復習して確実に理解しておきましょう。中途半端な理解のまま進んでいくと、問題のレベルが上がったときに必ず壁にぶつかります。手持ちの参考書を完璧にしてから、新しい参考書へステップアップしていきましょう。
次に進むポイント
- 「基礎英文解釈の技術100」をすらすら読める
- 「イチから鍛える英語長文」で8割以上正解できる
- 「イチから鍛える英語長文」でわからない構文や単語はない
- センター過去問で時間内に7割以上正解できる
「長文読解」や「英作文」を二次試験レベルに引き上げる
二次試験で戦えるレベルに引き上げるため、これまでやった内容をさらにレベルアップさせます。
記述問題が多い慶應義塾大学医学部では、正確な構文理解が不可欠。和訳問題も出題されるため「英文解釈の技術100」をやり込んで、様々な構文パターンに慣れておきましょう。英文解釈を理解したら、実際の入試問題を取り入れた「ポラリス」でより実践的な長文問題に取り組みます。「イチから鍛える英語長文」もレベルアップし、幅広いテーマの長文をすらすら読めるようトレーニングを積んでおきましょう。制限時間も意識して解き、答え合わせや復習では丁寧に精読しましょう。
例年出題される英作文の対策も、徐々に始めていきましょう。基礎となる単語力・文法力はすでに身についているはず。それに加えて設問に対し自分の考えを論理的にまとめ、それを英語で記述するトレーニングを積んでいきましょう。「英作文トレーニング必修編」で重要ポイントやよくある誤答例を押さえ、「ユメサク」で英作文に重要な『和文和訳』の考え方を学びましょう。
次に進むポイント
- センター過去問は時間内にほぼ間違えずに解ける
- 長文問題で構文が取れずに困ることはない
- 英作文で重要なポイントや、和文和訳のやり方がわかる
慶大医学部合格へ!「読解」と「英作文」の総仕上げ
良問ぞろいで記述問題も豊富な「ポラリス」をしっかりやり切り、長文読解の総仕上げをしておきましょう。解きっぱなしではなく、長文内の構文や正解・不正解の根拠までしっかり理解し、知らない単語も積極的に覚えてください。ポラリスをすらすら読めるようになれば、あとは時間を計って過去問演習に取り組みましょう。
英作文の基本的な考え方をマスターしたら、あとは自由英作文の対策に移りましょう。自由英作文は、一人でやっていてもそれがベストな解答なのかわかりづらいものです。遠慮せず学校や塾の先生に添削をお願いして、どんどん完成度を高めていきましょう。
これらの参考書を、高3の夏から秋にかけてやり込みましょう。
- 過去問慶應の英語
- 過去問赤本(5〜10年分)
ここまでの参考書をしっかりやり込んだら、相当な実力がついているはず。あとは「慶應の英語」や「赤本」を使って徹底的に過去問演習に取り組んでください。赤本では過去10年分ほどの過去問を時間を計って解いてみて、本番でどういう順番で解くのか、どう時間配分するのがベストかを検証しましょう。本番で予想外の難問が来ることも十分あり得るので、慌てずに対処できるよう普段から時間配分を意識しておきましょう。